令和2年度 第一種電気工事士 筆記試験 問24 解説 低圧分岐回路の施設
低圧分岐回路の施設において, 分岐回路を 保護する過電流遮断器の種類, 軟銅線の太さ 及びコンセントの組合せで, 誤っているもの は。
- 定格電流 15 A, 直径 1.6 mm, 定格 15 A
- 定格電流 20 Aの配線用遮断器, 直径 2.0 mm, 定格 15 A
- 定格電流 30 A, 直径 2.0 mm, 定格 20 A ✓ 正答
- 定格電流 30 A, 直径 2.6 mm, 定格 20 A(定格電流が 20 A 未満の差込みプラグが接続できるものを除く。)
解説
この問題を解くための鍵は、低圧屋内配線の分岐回路における「過電流遮断器の定格電流」「電線の太さ(許容電流)」「コンセントの定格」の三者の対応関係を規定する表を暗記できているかどうかです。誤っているものを選ぶ問題ですので、基準に適合していない組み合わせを見つけ出します。
低圧分岐回路のルール
電気設備技術基準において、分岐回路を保護する過電流遮断器の定格電流に対応して、使用できる電線の最小太さとコンセントの定格電流が定められています。試験対策として、以下の表の対応を頭に入れておくことが鉄則です。
| 過電流遮断器の定格電流 | 最小電線の太さ(軟銅線) | コンセントの定格電流 |
|---|---|---|
| 15 A | 1.6 mm | 15 A 以下 |
| 20 A | 1.6 mm | 15 A 以上 20 A 以下 |
| 30 A | 2.6 mm | 20 A 以上 30 A 以下 |
| 40 A | 3.2 mm | 30 A 以上 40 A 以下 |
| 50 A | 3.2 mm | 40 A 以上 50 A 以下 |
※20A分岐回路においては、直径2.0mmの電線も使用可能です。
誤りを見つけるプロセス
選択肢ハに注目します。ハは過電流遮断器が30Aですが、電線が直径2.0mmとされています。上の表の通り、定格電流30Aの回路を保護するためには、最低でも直径2.6mmの軟銅線が必要です。したがって、直径2.0mmでは許容電流が不足するため不適格となり、これが誤りであると判断できます。
他の選択肢を検証すると、以下のようになります。 イ:15A回路に1.6mm、15Aコンセント。適切です。 ロ:20A回路に2.0mm、15Aコンセント。適切です(20A回路には15Aコンセントを接続可能です)。 ニ:30A回路に2.6mm、20Aコンセント。適切です(30A回路には20A以上のコンセントを接続可能です)。
実務と教育的意義
このルールは、過電流遮断器が動作する前に配線やコンセントが焼損することを防ぐためにあります。例えば、電線が細すぎると、過電流遮断器がトリップする前に電線の被覆が溶けて火災の原因となります。第一種電気工事士の試験では、設計の安全性を確保するための最小限の基準を問うており、現場で施工を行う際に「この遮断器なら、どの太さのVVFケーブルを引っ張ればよいか」を即座に判断できる能力が求められています。暗記だけでなく、なぜその太さが必要なのかという「安全の境界線」を意識することで、より深い理解につながります。