第一種電気工事士試験 / 令和3年度 下期 学科試験 / 問9
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令和3年度 下期 学科試験 問9 解説 直列リアクトル無効電力

設問図

図のように, 直列リアクトルを設けた高圧進相コンデンサがある。この回路の無効電力(設備容量)[var]を示す式は。 ただし, XL < XCとする。

選択肢図
  1. イ. V^2/(XC-XL) ✓ 正答
  2. ロ. V^2/(XC+XL)
  3. ハ. XCV/(XC-XL)
  4. ニ. V/(XC-XL)

解説

この問題は、直列回路の合成リアクタンスを求め、オームの法則および電力の式に当てはめることで解くことができます。

手順は以下の通りです。

  1. コンデンサの容量性リアクタンス XCX_C と、直列リアクトルの誘導性リアクタンス XLX_L が直列接続されているため、合成リアクタンス XXX=XCXLX = X_C - X_L となります。
  2. 回路に流れる電流 II は、オームの法則より I=V/X=V/(XCXL)I = V / X = V / (X_C - X_L) となります。
  3. 無効電力 QQQ=V×IQ = V \times I で求められるため、Q=V×{V/(XCXL)}=V2/(XCXL)Q = V \times \{V / (X_C - X_L)\} = V^2 / (X_C - X_L) となります。

リアクタンスの打ち消し合い

交流回路において、コンデンサが持つ容量性リアクタンス XCX_C と、コイル(リアクトル)が持つ誘導性リアクタンス XLX_L は、ベクトル的に正反対の性質を持っています。これらが直列に接続されている場合、互いの値を打ち消し合う方向に働きます。問題文にある XL<XCX_L < X_C という条件は、この回路全体がまだ「容量性(コンデンサとしての性質)」を維持していることを示しており、合成リアクタンスは両者の差分である XCXLX_C - X_L となります。

回路計算の組み立て方

この問題では、単純な電力の式 P=VIP = VI を応用しています。回路を一つの合成インピーダンスを持つ負荷として見なす考え方が重要です。 もし、直列リアクトルがなければ無効電力は V2/XCV^2 / X_C ですが、リアクトルを入れることで分母が小さくなる(実効的なリアクタンスが減る)ため、結果として回路に流れる電流や無効電力の発生量が変わります。試験では、このようにコンポーネントを追加した際の「回路全体の変化」を数式で表現する能力が問われます。

直列リアクトルの役割と現場での活用

高圧進相コンデンサに直列リアクトルを設けるのは、主に以下の二つの目的があります。

  1. 第5高調波による過電流を抑制すること:コンデンサと電源側のインダクタンスが共振して高調波電流が増大するのを防ぎます。
  2. 開閉時の突入電流を抑制すること:コンデンサ投入時の過大な充電電流を和らげます。

現場の実務では、高調波障害を避けるために通常 XLX_L をコンデンサの容量性リアクタンス XCX_C の 6% 程度(あるいは 13%)に設定する設計を行います。この計算式を知っておくことは、単なる試験対策だけでなく、実際にコンデンサ設備を設置・点検する際に、リアクトルの接続によって無効電力供給能力がどのように変化するかを把握するエンジニアリングの基礎となります。

参考リンク

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