令和3年度 下期 学科試験 問38 解説 電気工事士法
「電気工事士法」において, 第一種電気工 事士に関する記述として, 誤っているものは。
- イ. 第一種電気工事士試験に合格したが所定の実務経験がなかったので, 第一種電気工事士免状は, 交付されなかった。
- ロ. 自家用電気工作物で最大電力 500 kW 未満の需要設備の電気工事の作 業に従事するとき, 第一種電気工事士免状を携帯した。
- ハ. 第一種電気工事士免状の交付を受けた日から 4 年目に, 自家用電気工 作物の保安に関する講習を受けた。
- ニ. 第一種電気工事士の免状を持っているので, 自家用電気工作物で最大 電力 500 kW 未満の需要設備の非常用予備発電装置工事の作業に従事 した。 ✓ 正答
解説
電気工事士法における第一種電気工事士の免状と、その業務範囲に関するルールを理解しているかを問う問題です。
誤っている選択肢の判断基準
選択肢ニが誤りである理由は、第一種電気工事士が「自家用電気工作物の工事」に従事するためには、免状の所持に加えて「自家用電気工作物に関する講習」を受講済みである必要があるからです。単に免状を持っているだけでは、自家用電気工作物の工事に従事することは法律上認められていません。
免状の取得と工事従事の要件
電気工事士法において、試験に合格しただけでは免状は手に入りません。免状交付には、試験合格に加えて一定期間の実務経験(または経済産業省令で定める認定)が必須です。選択肢イの「実務経験がないので免状が交付されなかった」は、免状交付の条件を正しく説明しており、正しい記述です。
また、第一種電気工事士の免状を所持していることは、あくまで資格保持の証明に過ぎません。実際に現場で工事を行う際、特に自家用電気工作物を取り扱う場合は、免状の携帯義務(選択肢ロ)があるとともに、定期的な知識の更新が義務付けられています。
定期講習と免状の有効期限
第一種電気工事士は、自家用電気工作物の保安に関する講習を定期的に受講しなければなりません。この講習は、免状の交付を受けた日から5年以内に一度受ける必要があり、その後も5年以内ごとに受講しなければならないというサイクルがあります。
選択肢ハの「交付を受けた日から4年目に講習を受けた」は、この5年以内の受講義務をクリアしているため、適切な行動です。試験問題では、この「5年」という期間がひっかけとして出題されやすいため、正確に覚えておきましょう。
実務現場における法遵守の重要性
この問題の教育的な意図は、資格さえあれば何でもできるという誤解を解くことにあります。第一種電気工事士は、最大電力500キロワット未満の自家用電気工作物という専門性の高い範囲を扱います。そのため、一度資格を得たら終わりではなく、法制度を通じて「常に最新の保安知識をアップデートし続けている状態」であることを確認するために、講習受講が業務従事の前提条件とされているのです。
実際の現場では、無資格工事はもちろん、講習未受講のまま自家用電気工作物の工事に関わることも法律違反となります。電気工事士法は、電気工事の安全を確保するための重要なルールブックです。試験勉強を通じて、「資格=免許」と「講習=業務継続の条件」をセットで理解しておくことは、将来現場で業務を行う上で不可欠な安全意識となります。