第一種電気工事士試験 / 令和3年度 上期 筆記試験 / 問10
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令和3年度 上期 筆記試験 問10 解説 誘導電動機の出力計算

三相かご形誘導電動機が, 電圧 200 V, 負荷 電流 10 A, 力率 80 %, 効率 90 %で運転され ているとき, この電動機の出力 [kW] は。

  1. イ. 1.4
  2. ロ. 2.0
  3. ハ. 2.5 ✓ 正答
  4. ニ. 4.3

解説

三相誘導電動機の出力計算手順

三相かご形誘導電動機の出力は、入力電力に効率を掛けることで算出します。以下の手順で計算します。

  1. 三相電力の公式 Pin=3×V×I×cosθP_{in} = \sqrt{3} \times V \times I \times \cos\theta を用いて、電動機への入力電力を求める。
  2. 効率 η\eta を掛けて、出力 P=Pin×ηP = P_{in} \times \eta を求める。
  3. 最後に単位をワット[W]からキロワット[kW]に換算する。

今回の数値(V=200V, I=10A, cosθ=0.8, η=0.9)を当てはめると、以下のようになります。

P=3×200×10×0.8×0.9P = \sqrt{3} \times 200 \times 10 \times 0.8 \times 0.9 P1.732×200×10×0.8×0.9P \approx 1.732 \times 200 \times 10 \times 0.8 \times 0.9 P2494[W]P \approx 2494 [W]

これをkWに直すと約2.5[kW]となります。

出力計算を支える基本概念

誘導電動機は電気エネルギーを力学的な回転エネルギーに変換する機械です。このとき、電気入力のすべてが回転出力になるわけではありません。内部で発生する銅損(抵抗による熱損失)や鉄損、摩擦損などによって一部がエネルギーとして失われます。

効率 η\eta とは、この変換における「どれだけ無駄なく出力に変換できたか」を示す指標です。効率が90%ということは、入力の90%が出力として取り出せていることを意味します。また、三相回路における電力は単相回路と異なり、線間電圧と線電流を用いる場合、常に 3\sqrt{3} を掛ける必要があるという点が重要です。

試験問題から読み解く思考の道筋

この問題を解く際、まず注意すべきは「どの値がどの項に相当するか」を整理することです。問題文から以下の情報を抽出します。

  • 線間電圧 V=200[V]V = 200 [V]
  • 線電流 I=10[A]I = 10 [A]
  • 力率 cosθ=0.8\cos\theta = 0.8
  • 効率 η=0.9\eta = 0.9

公式を暗記していても、単位の変換でミスをしてしまうと選択肢から外れてしまいます。計算結果が2494と出た際、これをkWに直すには1000で割る必要があります。ここで2.5という答えに到達する思考が求められます。試験では計算機が使えないため、31.732\sqrt{3} \approx 1.732 を用いて計算しますが、選択肢の値が十分に離れているため、概算でも正解を導き出すことが可能です。

実務現場における電動機出力の重要性

この知識は、現場で電動機の負荷選定や保護装置の設定を行う際に不可欠です。例えば、送風機やポンプを設置する際、その装置を動かすために必要な動力(kW)を計算し、適切な容量の電動機を選定しなければなりません。また、使用している電動機に流れる電流値から、現在の出力が定格の何%程度かを確認する際にも、この計算式を逆用して評価を行います。

教育的な意図としては、単に公式を覚えるだけでなく、「入力電力」「力率」「効率」という物理量が、実際の機械のエネルギーフローのどこに位置しているのかを理解させることが目的です。このプロセスを理解していれば、より複雑な配電設計や設備容量計算の基礎として応用が利くようになります。

参考リンク

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