第一種電気工事士試験 / 令和3年度 上期 筆記試験 / 問33
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令和3年度 上期 筆記試験 問33 解説 PF・S形の構成機器

④に示すPF・S形の主遮断装置として、 必要でないものは。

  1. イ. 過電流継電器 ✓ 正答
  2. ロ. ストライカによる引外し装置
  3. ハ. 相間, 側面の絶縁バリア
  4. ニ. 高圧限流ヒューズ

解説

PF・S形受電設備における「PF」とはパワーヒューズ、「S」とは高圧交流負荷開閉器(LBS)の略です。この方式は、高圧交流負荷開閉器による開閉機能と、パワーヒューズによる短絡保護機能を組み合わせることで、遮断器(CB)を使用する場合よりも設備を安価かつ小型にまとめるための仕組みです。過電流継電器(OCR)は、遮断器を電気的に制御して引き外すための装置であるため、ヒューズで保護するPF・S形には必須ではありません。

PF・S形とCB形の違いを整理する

電気設備技術基準において、高圧受電設備の保護方式は大きく「CB形」と「PF・S形」に分類されます。この二つの違いは、遮断の仕組みと、それに付随する制御回路の有無にあります。

CB形は、過電流継電器が過電流を検知し、その信号を遮断器(CB)の引外しコイルに送ることで回路を遮断します。そのため、過電流継電器や変流器(CT)、制御電源などが必須となります。

一方、PF・S形は、短絡事故に対してはパワーヒューズそのものが溶断することで回路を遮断します。負荷電流の開閉については高圧交流負荷開閉器(LBS)が担います。この際、パワーヒューズが溶断したことを検知して三相を一括遮断するために、ストライカと呼ばれる飛び出しピンがLBSの引外し機構を叩く仕組みが組み込まれています。

構成要素の判断基準

選択肢を検討する際、PF・S形に備わっている個々の役割を考えると、なぜ「過電流継電器」が不要なのかが見えてきます。

ロの「ストライカによる引外し装置」は、パワーヒューズが切れた際に三相を一斉に開放するための安全装置であり、PF・S形には欠かせないものです。ハの「相間、側面の絶縁バリア」は、高圧機器同士の短絡を防ぐための絶縁距離を補うために設置される標準的な構造物です。ニの「高圧限流ヒューズ」こそが、この方式の核心であるパワーヒューズそのものです。

これらの機能はすべて「物理的なヒューズの溶断」や「構造上の絶縁」に基づいています。これに対し、過電流継電器は「電流値を電気的に監視し、遮断器に指令を出す」というアクティブな保護プロセスを前提としています。PF・S形には、ヒューズの溶断という物理現象で完結する仕組みが求められているため、電気的な継電器は構成から外れます。

現場実務における選定の考え方

PF・S形は、設備容量が比較的小さな受電設備において、コスト削減と省スペース化を両立させるために選定されます。実務上の設計や保守においては、パワーヒューズの定格電流と負荷容量の関係、および短絡電流の遮断容量を正確に計算することが重要です。

もし過電流継電器を設置したいという要求がある場合は、それはすでにPF・S形の範疇を超え、より細かな保護設定が可能なCB形を採用すべきというサインになります。試験においては、「過電流継電器=遮断器(CB)とセット」という対比構造を覚えておくだけで、他の選択肢に惑わされず正解を導き出すことができます。

参考リンク

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