令和4年度 第一種電気工事士 筆記試験 問40 解説 電気工事業法
「電気工事業の業務の適正化に関する法律」 において, 正しいものは。
- イ. 電気工事士は, 電気工事業者の監督の下で, 「電気用品安全法」の表示が 付されていない電気用品を電気工事に使用することができる。
- ロ. 電気工事業者が, 電気工事の施工場所に二日間で完了する工事予定で あったため, 代表者の氏名等を記載した標識を掲げなかった。
- ハ. 電気工事業者が, 電気工事ごとに配線図等を帳簿に記載し, 3年経った ので廃棄した。
- ニ. 一般用電気工事の作業に従事する者は, 主任電気工事士がその職務を行う ため必要があると認めてする指示に従わなければならない。 ✓ 正答
解説
この問題は「電気工事業の業務の適正化に関する法律(電気工事業法)」に基づくルールを問うものです。正解を導くためには、法律で定められた「義務」と「禁止事項」を正確に暗記しているかが重要になります。
選択肢を判断するポイント
正しいものはニです。各選択肢の判断根拠は以下の通りです。
イは誤りです。電気用品安全法で定められた技術基準に適合する旨の表示(PSEマーク)がない電気用品は、原則として電気工事に使用してはなりません。これは電気工事士の監督云々に関わらず、遵守すべき安全基準です。
ロは誤りです。電気工事業者は、施工場所ごとに氏名や登録番号などを記載した標識を掲示しなければなりません。この義務に「工事期間が短いから免除される」という例外規定は存在しません。いかなる期間の工事であっても掲示は必須です。
ハは誤りです。電気工事業法では、施工した電気工事の内容や検査結果などを記録した帳簿を、5年間保存しなければならないと定められています。3年で廃棄することは法令違反となります。
ニは正しい記述です。一般用電気工事においては、主任電気工事士が保安の監督を行います。その職務を全うするために必要な指示を出した場合、作業に従事する者はそれに従わなければならないことが法的に義務付けられています。
電気工事における法遵守の重要性
この問題の教育的意図は、電気工事士が単に技術を持っているだけでなく、法律によって規制された業務遂行のルールを理解しているかを確認することにあります。
特に「標識の掲示」や「帳簿の保存」は、万が一の事故が発生した際に誰が責任を負うのか、どのような工事内容であったのかを明確にするための重要な証拠となります。もし標識が出ていなければ、近隣住民や依頼主は誰に問い合わせればよいか分かりませんし、帳簿がなければ後から施工不良の原因を特定することも困難です。
主任電気工事士の指示に従うという規定は、組織としての安全管理体制を維持するためのものです。個人の判断で作業を行うのではなく、保安管理責任を持つ者の指示に従うことで、電気事故という重大なリスクを未然に防ぐ仕組みになっています。
実務で求められる法的感覚
この知識は、実際に電気工事業者として働く際に不可欠です。例えば、小規模な修繕工事であっても標識を掲げ忘れていれば法令違反となり、行政処分の対象となる可能性があります。また、帳簿の管理については、将来的なトラブル(施工から数年後の不具合など)に対して自衛するための手段でもあります。
試験対策としては、以下のキーワードをセットで覚えておくと効率的です。
・標識掲示:工事期間に関わらず「必須」 ・帳簿保存:期間は「5年間」 ・電気用品:PSEマークなしは「使用禁止」 ・一般用電気工事:主任電気工事士の「指示に従う」
これらは電気工事士としての職業倫理と直結するルールです。試験に合格した後、実際に現場で指示を出したり、管理書類を作成したりする際に必ず思い出すことになる基本的な知識です。