令和5年度 学科試験 問39 解説 電気用品安全法
「電気用品安全法」の適用を受ける特定 電気用品は。
- イ. 交流60Hz用の定格電圧100Vの電力量計
- ロ. 交流50Hz用の定格電圧100V、定格消費電力56Wの電気便座 ✓ 正答
- ハ. フロアダクト
- ニ. 定格電圧200Vの進相コンデンサ
解説
この問題は、電気用品安全法(電安法)における特定電気用品の定義を理解しているかを問うものです。特定電気用品とは、構造や使用方法からみて危険が生じる恐れが特に高いとされる製品を指し、ひし形のPSEマークの表示が義務付けられています。選択肢の中から「特に危険性が高く、厳格な検査が必要な製品」を特定することで正解を導き出します。
特定電気用品の判別基準
電気用品安全法では、電気用品を以下の二つに大別しています。
・特定電気用品:構造や使用方法などからみて危険が生じる恐れが特に高いもの(116品目)。例として、電気温水器、電気便座、配線器具の一部、電線などがあります。これにはひし形のPSEマークを表示しなければなりません。 ・特定電気用品以外の電気用品:特定電気用品以外のもの(341品目)。例として、扇風機、洗濯機、テレビ、照明器具などがあります。これには丸形のPSEマークを表示します。
今回の選択肢で電気便座が該当する理由は、水回り(トイレ)という感電や漏電のリスクが高い環境で使用され、かつ発熱体や温水洗浄機能を備えているため、人身事故を防ぐための厳格な安全基準が求められるからです。
思考のステップ
問題の選択肢を精査する際は、以下の視点で考えると絞り込みが容易です。
- その機器が「水と接触する可能性があるか」あるいは「高温になるか」を検討します。
- 過去問の傾向として、電線やスイッチ、ヒーター内蔵の機器などは特定電気用品に指定されやすいという知識を確認します。
- 除外すべきものを特定します。電力量計(計量法の影響を受ける独立した領域)、進相コンデンサ(受電設備や機器内部の部品)、フロアダクト(配線用材料だが直接的に電気用品の安全基準を問うものではない)といった項目は、特定電気用品のリストには当てはまらないと判断します。
安全を守るための法的知識の重要性
この知識は単に試験合格のためだけでなく、実務において非常に重要です。電気工事士として現場で機器を設置・選定する際、その機器が電安法に適合しているかを確認することは、工事の責任を負う者としての義務です。
たとえば、電気便座のような特定電気用品を設置する際、もし適合品でないものを使用すると、重大な事故につながるだけでなく、法的な責任を問われる可能性があります。電気設備技術基準とセットで、「どの機器がどのような安全審査を経て市場に出ているのか」を理解しておくことは、プロの工事士として自身の工事の信頼性を裏付ける知識になります。試験対策としては、経済産業省が公開している「電気用品安全法における電気用品の範囲等の解釈」の表に目を通し、身近な電化製品がどちらに分類されるかを一度リストアップしてみるのが最も効果的です。