令和5年度 学科試験 問40 解説 電気工事業法
「電気工事業の業務の適正化に関する法律」 において、電気工事業者が、一般電気工事 のみの業務を行う営業所に備え付けなくても よい器具は。
- イ. 絶縁抵抗計
- ロ. 接地抵抗計
- ハ. 抵抗及び交流電圧を測定することができる回路計
- ニ. 低圧検電器 ✓ 正答
解説
一般電気工事のみを行う営業所では、電気用品安全法上の「検査」が必要な測定器である絶縁抵抗計、接地抵抗計、回路計の備え付けが義務付けられていますが、低圧検電器についてはその対象外とされています。この知識を持って選択肢を絞り込むのが最短の解法です。
備え付け義務がある測定器とない測定器
電気工事業法において、電気工事業者は営業所ごとに必要な器具を備え付ける必要があります。ここで重要なのは、法律が「電気工事の欠陥による災害を防ぐための品質管理」を目的としている点です。
具体的には、一般用電気工作物の工事を行う営業所には以下の測定器を備え付ける義務があります。
- 絶縁抵抗計(電路と対地間の絶縁性能を測定するため)
- 接地抵抗計(接地工事が適切に施工されているかを確認するため)
- 回路計(電圧や抵抗などを測定し、回路の通電状況や負荷を確認するため)
これらは、工事後の検査で数値的な裏付けをとるための精密な計測機器です。一方で、低圧検電器は主に「電路の充電の有無」を確認する安全器具であり、数値の記録を伴う検査用具とは区別されます。そのため、法律上の「備え付け義務のある検査器具」という枠組みからは外れることになります。
試験問題から読み解く法的根拠
この問題は、電気工事業法における「電気工事の種類(一般電気工事のみか、自家用電気工作物を含むか)」と「測定器具の重要度」を正確に理解しているかを問うています。
試験対策としての思考プロセスは以下の通りです。
まず、問題文が「備え付けなくてもよいもの」を求めている点に注目します。次に、選択肢のうち「数値として記録を残す必要性が高い測定器」を挙げられているもの(イ、ロ、ハ)をリストから除外します。最後に、残った「作業者の安全確保のための道具」である低圧検電器を選択するという手順です。
一般用電気工作物のみを扱う場合であっても、作業中の感電防止のために検電器を持つことは現場では当然のルールですが、法律上の「義務として営業所に備え置かなければならないリスト」には記載がない、というひっかけ問題です。
現場実務における測定器の重要性
この知識は、単なる試験勉強にとどまらず、電気工事店を開業する際や、営業所の管理責任を負う際の法的リスク管理に直結します。
実務においては、これらの測定器を揃えることはもちろんですが、それらの測定器が適切に校正されているかどうかも重要です。特に一般電気工事においては、絶縁抵抗計や接地抵抗計の測定結果を「工事終了時の記録」として保存する義務があるため、備え付け義務がある機器は「品質管理の生命線」といえます。
低圧検電器は毎日作業者が腰道具に入れて持ち歩くものであるため、あえて「営業所に備え付け」という固定的な義務を課すまでもない、という法的な実用性の観点からもこの規定を理解しておくと記憶に定着しやすくなります。