第一種電気工事士試験 / 令和5年度 学科試験 / 問48
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令和5年度 学科試験 問48 解説 直列リアクトルの役割

⑧で示す機器の役割として,誤って いるものは。

  1. イ. コンデンサ回路の突入電流を抑制する。
  2. ロ. 第5調波等の高調波障害の拡大を防止する。
  3. ハ. 電圧波形のひずみを改善する。
  4. ニ. コンデンサの残留電荷を放電する。 ✓ 正答

解説

この問題は、進相コンデンサに直列に接続される「直列リアクトル」の役割を正確に理解しているかを問うものです。誤っているものを選ぶ問題ですので、選択肢の中で唯一「直列リアクトルの役割ではないもの」を探します。

直列リアクトルと放電コイルの役割の区別

この問題を解くためのポイントは、電力用コンデンサ設備における「直列リアクトル」と「放電コイル」の役割を混同しないことです。

直列リアクトルは、コンデンサと直列に接続されるリアクトルであり、主に以下の役割を持ちます。

  1. コンデンサ投入時の突入電流を抑制する
  2. 第5調波などの高調波電流を抑制し、波形のひずみを改善する(直列共振を避ける)

一方、選択肢ニにある「コンデンサの残留電荷を放電する」役割を持つのは、コンデンサに並列に接続される「放電コイル」です。コンデンサは回路から切り離された後も電荷を蓄え続けており、そのままでは保守点検時に感電の危険があるため、速やかに放電させる必要があります。この機能は直列リアクトルとは無関係です。

役割の違いを整理する思考法

試験でこの種の問題に出会ったときは、それぞれの機器を「何のために取り付けているか」という目的で分類すると整理しやすくなります。

  • 直列リアクトル:電流の質や急激な変化(突入電流、高調波)を制御するために「直列」に入れるもの
  • 放電コイル:安全のために電荷を逃がすために「並列」に入れるもの

問題文の⑧が回路図上でコンデンサと直列に接続されていることがわかれば、それは直列リアクトルであると判断できます。したがって、その役割を問う選択肢の中で「安全・放電」に関する記述が含まれていれば、それが正解(誤った記述)であると即座に見抜くことができます。

実務における重要性

この知識は、受変電設備の設計や保守管理において非常に重要です。特に高調波障害は、近年のインバータ機器の普及により、電圧波形のひずみや機器の誤動作を引き起こす要因として無視できません。

現場で設備点検を行う際、直列リアクトルは高調波抑制のために非常に重要ですが、一方で「放電コイル」の断線や劣化を放置すると、点検時に作業者が感電する重大事故につながります。試験の設問としては役割の名称を混同させることが目的ですが、実務では「この機器は何を守るためのものか(設備を守るのか、人命を守るのか)」という視点で機器の構成を理解しておくことが、安全な電気管理への近道となります。

参考リンク

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