令和7年度 上期 第一種 学科試験 (出題例) 問1 解説 平行平板キャパシタ
図のような平行平板キャパシタにおいて、 電極間に100Vの電圧を加えたとき、電極間 に何も挟んでいない(空気)キャパシタ内の 電界の強さE[V/m]は。 ただし、電極間の距離d=1×10^-3m, 平行 平板間の電界は平等電界とする。
- イ. 1×10^2
- ロ. 1×10^3
- ハ. 1×10^4
- ニ. 1×10^5 ✓ 正答
解説
電位の傾きを求める基本式 に数値を代入することで解を導きます。電極間の距離 が (ミリ単位)で与えられているため、分母の指数計算を正確に行うことがポイントです。
電界の強さと電圧・距離の関係
平行平板キャパシタにおいて、電極間に電圧 [V] を加えると、その間には電気的な力が働く空間である電界が生じます。この電界の強さ [V/m] は、1メートルあたりの電圧の変化(電位の傾き)を表します。
問題文にある「平等電界」とは、電極間のどの地点においても電界の強さが一定であることを意味しています。この場合、電界の強さ は、電圧 を距離 で割るという単純な比例関係で表すことができます。
この式は、電気工事士の試験において静電気分野の最も基礎的な公式の一つです。
指数を含んだ計算の進め方
与えられた数値を公式に代入します。
[V] [m]
この計算において、分母にある は を意味します。分母の指数を分子に移動させる際は、符号を反転させて掛け算にするのが数学的なルールです。
これを指数表記に直すと、1の後に0が5個並ぶため、以下のようになります。
[V/m]
したがって、選択肢のニが正解となります。
絶縁設計と電界の強さの重要性
この問題を通じて問われているのは、単なる数式の暗記ではなく「電圧と距離が絶縁に与える影響」への理解です。
実際の電気工事の現場において、この電界の強さという概念は絶縁破壊(スパークや放電)を考える上で非常に重要です。例えば、空気の絶縁が保たれる限界の電界強度は、およそ [V/m] (3kV/mm)と言われています。
同じ100Vの電圧であっても、電極間の距離が非常に短くなれば、その空間の電界の強さは急激に大きくなります。電界が空気の限界を超えると、火花放電が発生して短絡事故などに繋がります。
第一種電気工事士が扱う高圧設備では、低い電圧では問題にならなかったわずかな距離の不足が、大きな電界を生み出し、絶縁を破壊するリスクを孕んでいます。この問題は、電気を安全に閉じ込めるための「距離」の重要性を理論的に学ぶための第一歩といえます。