第一種電気工事士試験 / 令和7年度 上期 第一種 学科試験 (出題例) / 問2
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令和7年度 上期 第一種 学科試験 (出題例) 問2 解説 直流回路の電流

設問図

図のような直流回路において、電流計に流 れる電流[A]は。

  1. イ. 0.1
  2. ロ. 0.5
  3. ハ. 1.0 ✓ 正答
  4. ニ. 2.0

解説

この問題は、中央に抵抗が配置されたブリッジ回路の性質を見抜けるかどうかが鍵となります。まず、回路図の対辺にある抵抗の積を計算し、平衡状態にあることを確認します。平衡していれば中央の抵抗を無視できるため、回路を単純な直並列回路に書き換えて、オームの法則で電流を求めます。

ホイートストンブリッジの平衡条件

図のようなH型の回路構成において、向かい合う辺の抵抗値を掛け合わせたものが等しいとき、中央の橋渡し部分にある抵抗には電流が流れません。これをホイートストンブリッジの平衡条件と呼びます。

本問の数値を当てはめてみると、左上の 7Ω7\Omega と右下の 3Ω3\Omega の積は 7×3=217 \times 3 = 21 です。同様に、左下の 7Ω7\Omega と右上の 3Ω3\Omega の積も 7×3=217 \times 3 = 21 となります。両者が等しいため、中央の 3Ω3\Omega の抵抗には電位差が生じず、電流は一切流れません。

この性質を利用すると、中央の抵抗を「存在しないもの(断線状態)」として、回路を簡略化して考えることができます。

回路の簡略化と電流の算出

中央の抵抗を無視すると、この回路は上下二つの道に分かれた並列回路として整理できます。

  1. 上側の枝の合成抵抗 電流計がつながっている上側の道には、 7Ω7\Omega3Ω3\Omega の抵抗が直列に並んでいます。 7+3=10Ω7 + 3 = 10\Omega

  2. 下側の枝の合成抵抗 下側の道も同様に、 7Ω7\Omega3Ω3\Omega の抵抗が直列に並んでいます。 7+3=10Ω7 + 3 = 10\Omega

  3. 電流計に流れる電流の計算 電源電圧は 10V10V であり、並列回路ではそれぞれの枝に同じ電圧がかかります。電流計がある上側の枝に注目し、オームの法則 I=V/RI = V / R を適用します。 I=10V/10Ω=1.0AI = 10V / 10\Omega = 1.0A

したがって、電流計に流れる電流は 1.0A1.0A となります。

測定技術の基礎となるブリッジ回路

ホイートストンブリッジは、第一種電気工事士の試験において頻出のテーマですが、これは単なる計算パズルではありません。実際の電気計測の現場において、非常に重要な役割を果たしている知識です。

例えば、接地抵抗計やダブルブリッジなどの精密測定器は、この平衡条件を利用しています。未知の抵抗値を測定する際、既知の抵抗を調整して「ブリッジの平衡(電流計がゼロを指す状態)」を作ることで、電源電圧の変動に左右されずに極めて正確な抵抗値を導き出すことができます。

また、橋梁や建築物の歪みを検知する「ひずみゲージ」などのセンサー回路にもこの原理が応用されています。複雑に見える回路図から「平衡」という法則性を見つけ出し、計算を簡略化する思考プロセスは、現場で回路の不具合を論理的に切り分ける能力にも直結しています。

参考リンク

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