令和5年度 下期 学科試験(午前) 問28 解説
「電気工事士法」において,第二種電気工事士免状の交付を受けている者であっても従事できない電気工事の作業は。
- イ. 自家用電気工作物(最大電力 500 kW 未満の需要設備)の低圧部分の電線相互を接続する作業 ✓ 正答
- ロ. 自家用電気工作物(最大電力 500 kW 未満の需要設備)の地中電線用の管を設置する作業
- ハ. 一般用電気工作物の接地工事の作業
- ニ. 一般用電気工作物のネオン工事の作業
解説
この問題は、第二種電気工事士が作業できる範囲と、作業が許可されるための要件を理解していれば即答できます。判断のポイントは「電気工事の場所(一般用か自家用か)」と「作業内容の重要性」の組み合わせです。
flowchart TD
A[第二種電気工事士の可否判定] --> B{一般用電気工作物?}
B -->|はい| C[原則として作業可]
B -->|いいえ| D[自家用電気工作物]
D --> E{認定電気工事従事者あり?}
E -->|はい| F[簡易電気工事のみ可]
E -->|いいえ| G[原則作業不可]
F --> H{電線相互の接続作業?}
H -->|はい| I[不可]
H -->|いいえ| J[可]第二種電気工事士が従事できる範囲を整理すると以下のようになります。
・一般用電気工作物:すべての電気工事が可能 ・自家用電気工作物:500kW未満の需要設備において、認定電気工事従事者の免状があれば、簡易電気工事が可能
ここでいう簡易電気工事とは、電圧600V以下で使用する電気機器の設置や、それに準ずる作業を指します。ただし、電線相互の接続といった「接合」や、複雑な電気的結合を伴う作業は、この範囲には含まれません。
選択肢を検討します。
イ. 自家用電気工作物の低圧部分の電線相互を接続する作業 これが正解です。電線の接続作業は電気工事において最も重要かつ危険を伴う行為です。たとえ自家用電気工作物の小規模なものであっても、第二種電気工事士免状のみでは行うことができません。これを行うには第一種電気工事士の免状が必要です。
ロ. 自家用電気工作物の地中電線用の管を設置する作業 地中電線用の管を設置する作業は、電気工事士法で定められた「軽微な作業」に該当する場合が多く、電気工事士の資格がなくても行うことができます。したがって、第二種電気工事士も当然従事可能です。
ハ. 一般用電気工作物の接地工事の作業 一般用電気工作物であれば、接地工事を含めてすべての作業を行うことができます。第二種電気工事士の基本的な業務範囲です。
ニ. 一般用電気工作物のネオン工事の作業 ネオン工事も一般用電気工作物の範囲内であれば、第二種電気工事士が行うことができます。
この問題のパターンを攻略するには、まずは自分の資格である第二種電気工事士が「一般用電気工作物のプロである」という前提を再確認することです。自家用電気工作物という言葉が出てきた瞬間に、警戒レベルを一段階上げてください。
試験では「認定電気工事従事者」とのひっかけ問題もよく登場します。第二種電気工事士は、認定電気工事従事者の講習を受けることで、自家用電気工作物(500kW未満)の簡易的な電気工事が可能になります。しかし、その場合でも「電線相互の接続」までは許可されないという境界線が、この問題で問われています。
法的根拠として、電気工事士法および電気工事士法施行規則を確認しておくと、より理解が深まります。
経済産業省:電気工事士法等の概要 https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/sangyo/electric/detail/koujisihou.html