令和7年度 下期 第二種 学科試験 問3 解説
電熱器により, 60kgの水の温度を20K上昇させるのに必要な電力量[kW・h]は。ただし, 水の比熱は4.2kJ/(kg・K)とし, 熱効率は100%とする。
- イ. 1.0
- ロ. 1.2
- ハ. 1.4 ✓ 正答
- ニ. 1.6
解説
解き方の手順
この問題は、以下の2ステップで計算します。
- 必要な熱量 [kJ] を求める(公式:)
- 熱量 [kJ] を電力量 [kW・h] に単位変換する(1kW・h = 3,600kJ)
【計算】 ① 熱量 ② 電力量
したがって、正解は ハ です。
flowchart LR A[与条件<br/>m=60kg<br/>c=4.2kJ/kgK<br/>ΔT=20K] --> B[熱量計算<br/>Q=mcΔT=5040kJ] B --> C[単位変換<br/>1kWh=3600kJ] C --> D[電力量<br/>5040÷3600=1.4kWh] D --> E[正解 ハ]
熱量計算の基本公式:
水を温めるために必要な熱量を求める公式は、電気工事士試験の計算問題において頻出です。それぞれの記号の意味を確実に覚えましょう。
- :熱量 [kJ](キロジュール)
- :物質の質量 [kg](水 1L = 1kg と読み替える場合もあります)
- :比熱 [kJ/(kg・K)](水を温めにくさの指標。通常 4.2 が与えられます)
- :上昇温度 [K または ℃](「〇〇℃になった」ではなく「何℃上がったか」の差分)
この公式で算出される単位は「kJ」です。しかし、問題で問われているのは「kW・h」であるため、単位を変換する必要があります。
「1kW・h = 3,600kJ」の導き方
単位変換の数値「3,600」を丸暗記しても良いですが、仕組みを理解すると忘れません。
- = (1秒間に1ジュールの仕事をする)
- =
- = を 1時間(3,600秒) 続けた量
- =
つまり、**「kJを3,600で割ればkW・hになる」**という関係になります。
よく出る問題パターンと注意点
この熱量計算の問題は、第二種電気工事士の筆記試験(午前・午後)で非常によく狙われるパターンです。ひねりがある場合は以下の要素が加わります。
- 熱効率()が100%ではない場合 「効率80%とする」とあれば、電熱器が発生させた熱のうち80%しか水に伝わらないという意味です。この場合、電力量を求めるには、水が必要な熱量を効率で割る( のように)計算が必要になります。
- 時間や電力を問う場合 「500Wの電熱器で何分かかるか?」といった問われ方です。 この場合は、まず必要な熱量 [kJ] を出し、それを電力 [kW] で割って「秒」を出し、最後に「分」に直すという手順を踏みます。
計算問題の序盤(問3〜問5あたり)で出てくるこの問題は、公式と「3,600」という数字さえ覚えていれば確実に得点源にできるサービス問題です。試験本番では単位の変換ミスに注意して取り組みましょう。