令和7年度 上期 学科試験 問9 解説
図のように定格電流100Aの過電流遮断器で保護された低圧屋内幹線から分岐して,6mの位置に過電流遮断器を施設するとき,a-b間の電線の許容電流の最小値[A]は。
- イ. 25
- ロ. 35 ✓ 正答
- ハ. 45
- ニ. 55
解説
幹線から分岐した箇所に設置する過電流遮断器(ブレーカー)までの距離が6mであるため、a-b間の電線には「幹線の過電流遮断器の定格電流の35%以上」の許容電流が必要です。
したがって、許容電流の最小値は35Aとなり、選択肢「ロ」が正解です。
flowchart TD A[分岐点→遮断器まで6m] --> B[3m超8m以下のルール適用] B --> C[必要許容電流=幹線遮断器定格×0.35] D[幹線遮断器 100A] --> C C --> E[100×0.35=35A] E --> F[a-b間電線の最小許容電流は35A]
分岐回路の電線の太さを決めるルール
低圧屋内幹線から分岐して過電流遮断器を施設する場合、原則として「分岐点から3m以内」に設置しなければなりません。しかし、電線の太さ(許容電流)を一定以上に大きくすることで、3mを超える位置に設置することが認められています。
このルールには、距離に応じて以下の3つのパターンがあります。
- 分岐点からの距離が3m以下:制限なし(どんな太さでも良い)
- 分岐点からの距離が3m超、8m以下:幹線の遮断器の定格電流の35%以上の許容電流が必要
- 分岐点からの距離が8m超:幹線の遮断器の定格電流の55%以上の許容電流が必要
今回の問題は「6m」の位置に設置するため、上記2番目の「35%以上」のルールが適用されます。
なぜ距離が長くなると太い電線が必要なのか
本来、細い電線に大きな電流が流れると、電線が発熱して火災の原因になります。分岐した後の電線が細い場合、もしその先で短絡(ショート)などの事故が起きても、幹線の100Aという大きな遮断器が落ちる前に、細い電線が焼き切れてしまう恐れがあります。
しかし、電線がある程度太ければ、大きな電流にも一定時間耐えることができます。そのため、遮断器までの距離が長くなるほど、より大きな電流に耐えられる太い電線(許容電流が大きい電線)を使用することが義務付けられているのです。
よく出る問題パターンと対策
この項目は計算問題として頻出ですが、数字の組み合わせはほぼ決まっています。
・幹線100A、距離6mの場合:(今回のパターン) ・幹線100A、距離10mの場合:
まずは「3m超なら35%(0.35倍)」「8m超なら55%(0.55倍)」という2つの数字を確実に覚えましょう。覚え方のコツとして、距離が「8m」という中途半端な数字であること、そして掛ける係数の「35」と「55」はいずれも下一桁が「5」であることをセットで記憶しておくと、試験本番で迷いにくくなります。