平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問4 解説 データマイニング
データマイニングとは,データベースに蓄積されている大量の生データに対し,統計やパターン認識などの手法を用いることによって,認識されていなかった規則性や関係性を導き出す技術である。データマイニングの応用分野として,最も適切なものはどれか。
- ア 顧客に応じた商品の推薦 ✓ 正答
- イ 生産計画に基づく製造機械の割当て
- ウ 店舗別商品カテゴリ別の売上高の集計
- エ 累計購買金額による優良顧客の抽出
解説
データマイニングの問題を解く鍵は、「未知の法則性の発見」というキーワードと、「単なる集計」との違いを区別することです。選択肢のうち、過去のデータから顧客一人ひとりの嗜好という「新たな規則性」を導き出し、それを次のアクションに結びつけているのはアだけであると判断します。
データマイニングが指すもの
データマイニングとは、単にデータを集めたり整理したりすることではありません。蓄積された膨大なデータの中に潜む、人間が直感では見つけられないような「隠れた相関関係」や「パターン」を、数学的な手法(統計学や人工知能など)を用いて掘り起こす技術です。
例えば「Aという商品を買う人は、高い確率でBという商品も買う」というような関連性は、売上データをただ眺めているだけでは気づけません。このように、データ間の意外な結びつきを明らかにすることがデータマイニングの本質です。
選択肢を分析する視点
試験においてデータマイニングの応用例を問われたときは、その作業が「すでにあるルールや計算で行えるか」を考えると正解にたどり着きやすくなります。
イの製造機械の割当てやウの売上高集計、エの優良顧客の抽出は、いずれも「あらかじめ決められた基準」や「単純な算術計算」で行えます。例えば「100万円以上買った人を抽出する」という作業は、単なるデータの絞り込み(フィルタリング)であり、複雑な解析を必要としません。
一方で、アの「顧客に応じた商品の推薦」は、個々の顧客が何を好み、どのような組み合わせで購入する可能性が高いかという推論が必要です。これは、過去の多角的なデータを分析して「次に何が売れるか」という未知の予測を行うプロセスであり、まさにデータマイニングの代表的な活用事例といえます。
知識を実務につなげる
この問題は、ITパスポートの出題範囲においても非常に実践的な内容です。今日では多くのWebサイトやアプリで「あなたへのおすすめ」が表示されますが、これらはデータマイニングの結果として提供されています。
企業はこうした技術を使うことで、単に物を売るだけでなく、顧客の潜在的なニーズを先回りして把握しようとしています。試験勉強で学んでいるこの技術が、日常の購買体験やマーケティング戦略の根幹を支えていると意識することで、用語の定義がより具体的に記憶へ定着するはずです。