ITパスポート試験 / 平成21年度 秋期 ITパスポート試験 / 問15
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平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問15 解説 CRMの導入効果

問15 CRMの導入効果として,最も適切なものはどれか。

  1. ア 売掛金に対する顧客の支払状況を把握しやすくなる。
  2. イ 顧客が発注してから納品するまでの時間を短縮しやすくなる。
  3. ウ 顧客に対するアプローチ方法を営業部門全体で共有しやすくなる。
  4. エ 顧客のニーズや欲求に対する理解が深まり長期的な関係を築きやすくなる。 ✓ 正答

解説

CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)という用語が持つ「顧客との関係を構築・管理する」という本質的な意味と、選択肢にある「長期的な関係」というキーワードを一致させるのが、この問題を解く最短のステップです。

顧客関係管理の定義と目的

CRMは、顧客の基本情報、購買履歴、問い合わせ内容、商談状況といったデータをシステム上で一元的に管理する手法やそのシステムを指します。

従来、顧客データは担当者個人が持っている「名刺の束」や「個人のメモ」の中に埋もれがちでした。CRMを導入することで、これらがデータベース化され、企業全体で顧客の顔が見えるようになります。このデータの蓄積と分析によって、顧客一人ひとりが何を望んでいるのか、どのようなタイミングで提案すべきなのかを深く理解できるようになります。その結果として、顧客満足度が向上し、リピート購入や長期的な利益をもたらす良好な関係が構築されます。

消去法とキーワードによる判断

各選択肢をCRMの目的である「顧客との関係性」に照らして検討すると、正解が導き出せます。

アの「売掛金」やイの「納品までの時間」といった内容は、CRMの領域ではなく、それぞれ財務管理やロジスティクス、サプライチェーン管理(SCM)といった別の経営資源やプロセスの話です。

ウの「営業部門全体で共有する」という記述は、CRMの機能としては正しい部分もありますが、これはあくまで手段の一つに過ぎません。CRMの本質的な目的は情報共有そのものではなく、共有した情報を活かして「顧客満足度を高め、長期的な関係を築く」という成果にあります。エの「ニーズへの深い理解」から「長期的な関係」へとつながる記述のほうが、CRMの定義としてより包括的で適切なものとなります。

なぜこの問題が重要なのか

ITパスポート試験でCRMが問われる背景には、現在のビジネスが「新規顧客を常に開拓し続ける」スタイルから、「既存顧客を大切にしてファンになってもらう(LTV:顧客生涯価値の最大化)」スタイルへ移行している現状があります。

例えば、オンラインストアで「あなたが過去に購入した商品に関連するおすすめ」が表示される仕組みは、まさにCRMの活用例です。企業にとって、一度購入してくれた顧客に継続的に利用してもらうことは、新規顧客を獲得するよりもコストが低く、経営を安定させる重要な戦略です。この問題を解くことは、現代のビジネスにおける顧客視点の重要性を理解することと同義といえます。

参考リンク

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