平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問22 解説 マーケティングミックス
EC サイトに関連するマーケティング施策のうち, マーケティングミックスを構成する 4P の Place に関連するものはどれか。
- ア EC サイトでの販売に際し, EC サイト専用の商品を開発した。
- イ EC サイトへの来訪者数を増加させるために, 検索連動型広告を活用した。
- ウ 従来, 代理店を通じて販売していた商品のEC サイトでの直販を開始した。 ✓ 正答
- エ 販売代理店への手数料が不要になったので, EC サイトで直販する商品の価格を下げた。
解説
マーケティングミックスの「4P」を見極める
この問題は、マーケティングにおける4P戦略の定義を理解しているかを問うものです。解くための最大の鍵は、選択肢にある施策が「製品・価格・場所・宣伝」のどれに該当するかを瞬時に分類することです。今回の正解である「直販の開始」は、商品が顧客の手に届くまでのルート(流通)を変える行為であるため、Placeに該当します。
4Pの考え方を整理する
マーケティングミックスの4Pとは、企業がターゲット市場で成功するために調整すべき4つの要素の総称です。
- Product(製品戦略):どのような商品を開発するか。品質、デザイン、ブランド、機能などが含まれます。
- Price(価格戦略):いくらで販売するか。定価、割引、支払い条件などが含まれます。
- Place(流通戦略):どこで販売するか。販売チャネル、店舗の立地、配送経路、在庫管理などが含まれます。
- Promotion(プロモーション戦略):どうやって顧客に伝えるか。広告、SNS、セールスプロモーションなどが含まれます。
消去法による選択肢の検討
問題の意図を汲み取りながら、各選択肢を4Pの観点で仕分けしてみましょう。
アの「専用商品の開発」は、商品そのものを作っているためProductです。 イの「検索連動型広告」は、広告によって顧客に認知させる活動のためPromotionです。 ウの「代理店販売から直販への切り替え」は、モノが顧客に届くまでのルートを変更しているためPlaceです。 エの「手数料分を価格に反映(値下げ)」は、金額の設定を変更しているためPriceです。
この分類ができるようになると、似たような言葉に惑わされず、どの選択肢がどの要素に対応しているか論理的に導き出せます。
実務での活用と試験の狙い
ITパスポート試験においてこの知識が問われるのは、ITを活用したビジネスモデルの変革を理解しているかを確認するためです。
現代のECサイト構築は、単なるWebサイトの制作ではなく、ビジネスプロセスそのものの最適化を伴います。例えば、企業が自社サイトで直販(D2C)を始めることは、従来の卸売という流通チャネル(Place)を自社でコントロールする戦略へと転換することを意味します。
試験作成者は、単なる単語の暗記ではなく、「デジタル化によって、従来のマーケティング手法がどう変化するのか」という視点を持たせようとしています。マーケティング戦略は、システム導入の目的(なぜECをやるのか)に直結する重要な要素であるため、各施策が4Pのどこに寄与しているかを意識することは、実務でシステム要件を検討する際にも極めて重要な思考プロセスとなります。