ITパスポート試験 / 平成21年度 秋期 ITパスポート試験 / 問36
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平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問36 解説 リスクシミュレーション

設問図

問36 図は,リスクシミュレーションを基に,あるプロジェクトの見積りコストに対して 最終的にその額に収まる確率を示したものである。現在,プロジェクトの予算として 4,000万円を用意している。実際のコストが見積りコストを上回ってしまう確率を 20%まで引き下げるためには,予備として,あとおよそ何万円用意することが妥当か。

  1. ア 1,000 ✓ 正答
  2. イ 2,000
  3. ウ 4,800
  4. エ 9,000

解説

この問題は、累積確率分布のグラフを読み取り、目標とする達成確率を満たすために必要な予算額を特定するものです。以下の手順で解きます。

  1. コスト超過確率が 20%20\% ということは、予算内に収まる確率が 100%20%=80%100\% - 20\% = 80\% 以上であればよいと考えます。
  2. グラフの縦軸で 80%80\% の位置を探し、そこから右に辿ってグラフと交差する点を見ます。
  3. その交点から下に下ろすと、横軸の 5,0005,000 万円と一致します。
  4. 現在用意している 4,0004,000 万円との差額(5,0004,000=1,0005,000 - 4,000 = 1,000)を求めます。

累積確率分布図の読み方

この図は「プロジェクトのコストがいくら以下に収まるか」という累積確率を示しています。横軸は見込んでいる予算額、縦軸はその金額でプロジェクトが完了する確率を表します。

例えば、縦軸の 50%50\% の位置を見ると、横軸の 4,8004,800 万円と交わります。これは「 4,8004,800 万円あれば 50%50\% の確率でプロジェクトを完了できる」ということを意味します。グラフが右肩上がりになっているのは、予算を増やせば増やすほど、プロジェクトを完了できる(コスト内に収められる)確率が高くなるという性質を表しています。

リスク管理と予算設定の考え方

プロジェクトの見積りにおいて、「必ずこの金額で終わる」と断言することは困難です。予期せぬトラブルや仕様変更によってコストは変動するためです。そのため、実務では「この予算であれば何%の確率で収まる」という統計的なアプローチをとります。

今回の問題で重要なのは、「上回ってしまう確率を 20%20\% に抑える」という条件を「収まる確率を 80%80\% 以上にする」と言い換える点です。ビジネス現場においては、リスクをどの程度許容するかによって予算のバッファ(予備費)が変わります。もし「何としても超過したくない」と考えるならば、グラフのより右側の、確率が 90%90\%95%95\% に達する高い金額を設定する必要があります。

コンティンジェンシー予備の概念

本問のような「プロジェクトの完了に必要なコストを見積もる」という作業は、プロジェクトマネジメントにおけるコスト管理の基礎です。見積もった基本コストに対し、リスクが顕在化した際に対応するための予備費をコンティンジェンシー予備と呼びます。

この手法は、IT開発プロジェクトや建設プロジェクトなど、不確実性が高い業務の予算確保において非常に重要です。上司やクライアントに対して「なぜこの予算が必要なのか」を説明する際、こうした統計的な根拠を示すことで、客観的で説得力のある予算交渉が可能になります。ITパスポート試験では、このようなグラフを読み解く力と、プロジェクト管理におけるリスクへの備えという概念がセットで問われています。

参考リンク

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