ITパスポート試験 / 平成21年度 秋期 ITパスポート試験 / 問38
certification-simodake-work

平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問38 解説 ソフトウェア保守

問38 ソフトウェア保守に含まれるものはどれか。

  1. ア 工程内に開発が終わらないことが分かり,あらかじめ開発要員を増員する。
  2. イ 障害を引き起こす可能性のあるプログラムを見つけ,あらかじめ修正する。 ✓ 正答
  3. ウ 取り扱うデータ量が増えてきたので,あらかじめディスクを容量の大きなものに 変更する。
  4. エ 要求仕様からプログラムの開発量を,あらかじめ予測する。

解説

ソフトウェア保守は、システムが本番稼働を開始した後に実施される一連の作業です。「現状の機能を維持し、必要に応じて改善・予防を行うこと」が保守の定義であると押さえれば、選択肢の中から正解を導き出せます。

ソフトウェア保守の4つの分類

ソフトウェア保守は、その目的によって以下の4つに分類されます。これらを知っておくと、問題文にある「保守」という言葉が何を指しているのか判断できるようになります。

  1. 是正保守:発見されたバグや不具合を修正する作業
  2. 適応保守:OSのバージョンアップや法改正など、外部環境の変化に合わせてプログラムを修正する作業
  3. 完全化保守:ユーザーの要望に基づき、機能追加や使い勝手の向上を行う作業
  4. 予防保守:将来起こりうる不具合を未然に防ぐために、あらかじめプログラムの品質を高める作業

今回の正解である「障害を引き起こす可能性のあるプログラムを見つけ、あらかじめ修正する」は、4番目の予防保守に該当します。不具合が実際に起きてから直すのではなく、潜在的なリスクを取り除くことも重要な保守活動の一部です。

なぜ他の選択肢は保守ではないのか

選択肢ア、ウ、エを見ると、すべて「あらかじめ〜する」という表現が含まれているため、一見すると予防保守のように感じるかもしれません。しかし、これらは保守ではなく「開発工程」や「運用管理」の範疇に含まれます。

選択肢アの要員の増員や、選択肢エのプログラム規模の予測は、システムを完成させるための「開発工程(計画・見積り)」の活動です。保守とはあくまで「完成した後のソフトウェア」に対する作業であるため、開発中の活動は保守には含まれません。

選択肢ウのディスクの増設については、ハードウェアのスペックアップに関する対応です。ITパスポートでは、ソフトウェアの論理的な構造をいじることをソフトウェア保守、物理的なリソースや環境を整えることを運用管理として区別して扱うことが多いです。

実務におけるソフトウェア保守の重要性

現場において、開発したソフトウェアは「作って終わり」ではありません。リリース後からが長い本番運用であり、そこでいかに安定してシステムを稼働させ続けるかが保守の役割です。

特に予防保守は、システムが大規模化・複雑化する現代において非常に重要視されています。例えば、コードの可読性を高める「リファクタリング」や、処理効率を改善するソースコードの整理などは、すぐに機能が変わるわけではありませんが、将来的な障害発生リスクを減らすために行われる代表的な予防保守です。

試験対策としては、単に「不具合を直すだけが保守ではない」という視点を持つことが正解への近道となります。システムを「健康な状態に保ち続けるためのあらゆる取り組み」を保守と定義づけておきましょう。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう