平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問39 解説 開発工数の計算
プログラムの開発作業で担当者A~Dの4人の工程ごとの生産性が表のとおりのとき,4人同時に見積りステップ数が12kステップのプログラム開発を開始した場合に,最初に開発を完了するのはだれか。
- ア A
- イ B ✓ 正答
- ウ C
- エ D
解説
この問題は、各担当者が全工程を完了させるために必要な「合計期間(月数)」を算出することで解くことができます。期間を求める基本式は、 です。今回のプログラム規模は共通で ステップであるため、各工程の所要時間を個別に計算し、それらを合計して誰が最も短時間で終えられるかを比較します。
所要期間の計算手順
各担当者の合計期間(月)を算出します。
担当者A: ヶ月
担当者B: ヶ月
担当者C: ヶ月
担当者D: ヶ月
比較の結果、期間が最も短いのは9ヶ月の担当者Bとなります。
生産性と工数の考え方
ITプロジェクト管理において「生産性」とは、単位時間あたりにどれだけの成果物(本問ではステップ数)を生み出せるかを示す指標です。「生産性」が高いほど、同じ規模の作業をこなすための「工数(所要期間)」は少なくなります。
今回の問題では、設計、プログラミング、テストという各工程において、人によって得意・不得意(生産性のばらつき)があることがわかります。たとえば、担当者Cは設計には強い(ステップ/月)ですが、テストは不得意(ステップ/月)です。一方で担当者Bは、どの工程でも一定のペース(ステップ/月)で安定して作業を進められます。結果として、極端な遅れがない担当者Bが全体として最も早く作業を終えることができました。
実務における見積もりの視点
この問題の教育的意図は、開発の見積もりにおいて「平均的な能力」だけで判断せず、各工程の性質と担当者の能力を照らし合わせて考えることの重要性を理解することにあります。
実際のシステム開発の現場では、以下のような判断材料としてこの知識が活用されます。
- プロジェクト計画:特定の工程に強いメンバーを配置したり、工期が厳しいプロジェクトで誰をリーダーに据えるべきかを検討したりする際に役立ちます。
- リスク管理:特定の工程で生産性が落ちる可能性がある場合、あらかじめ予備期間を設けるといった調整が必要になります。
- メンバーの適材適所:全工程を一人で行うケースは稀ですが、個人の得意分野を把握しておくことで、作業の割り当てを最適化し、チーム全体の生産性を最大化することができます。
この問題のように数値を計算して比較する手法は、プロジェクトマネジメントの基礎的な評価手法のひとつです。