平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問67 解説 フールプルーフの概念
フールプルーフの考え方として, 適切なものはどれか。
- ア 故障などでシステムに障害が発生した際に, 被害を最小限にとどめるようにシステムを安全な状態にする。
- イ システム障害は必ず発生するという思想の下, 故障の影響を最低限に抑えるため, 機器の多重化などの仕組みを作る。
- ウ システムに故障が発生する確率を限りなくゼロに近づけていく。
- エ 人間がシステムの操作を誤ってもシステムの安全性と信頼性を保持する。 ✓ 正答
解説
フールプルーフという単語は「Fool(愚か者・うっかり者)」と「Proof(防ぐ・耐える)」という言葉が組み合わさった造語です。この名前の通り、人間がどんなにうっかりした操作をしてもシステムが壊れないようにすることを指します。選択肢の中から「人間の誤操作」というキーワードを探すのが正解への最短ルートです。
フールプルーフを正しく理解する
ITパスポート試験で頻出する「システムを安全に保つための設計思想」には、主に3つの考え方があります。
フールプルーフ:操作ミスを防ぐ 「誤った操作をしても、安全なように設計する」ことです。例えば、電子レンジのドアが開いているときは加熱が始まらない、あるいはWebサイトで「削除」ボタンを押したときに「本当に削除しますか?」という確認画面が表示される仕組みがこれにあたります。
フェイルセーフ:故障した時に備える 「故障したとしても、安全な状態に停止させる」ことです。選択肢アの内容です。例えば、信号機が故障した際に、青と赤の両方が点灯して事故を招かないよう、全方位を赤(停止)にする設計などが該当します。
フォールトトレラント:故障を前提にする 「故障してもシステムを止めない」ことです。選択肢イの内容です。機器を二重化して、片方が壊れてももう片方が動作を継続する仕組みです。
紛らわしい選択肢を排除する思考法
試験本番では、これらの用語が混ぜ合わされて出題されます。問題文を読んだら、まず「人間がミスをする話なのか」「システム自体が故障する話なのか」を分類しましょう。
今回の問題であれば、キーワードが「人間の操作ミス」である時点で、他の選択肢(フェイルセーフやフォールトトレラント)は明らかに的外れであると判断できます。特に「多重化」や「故障しても安全な状態へ」といった用語が出てきたら、フールプルーフではないと即座に見抜くのが効率的です。
現場で求められる安全設計の視点
フールプルーフは開発現場だけでなく、私たちが普段利用しているあらゆるIT製品の「使いやすさ」や「信頼性」の根幹を支えています。
例えば、パスワード入力時に「Caps Lock」がオンになっていることを警告する機能や、ファイルの保存を忘れて閉じようとした時に警告が出る仕組みも、ユーザーのミスをシステム側でカバーする立派なフールプルーフです。IT技術者を目指すのであれば、単に「正解を覚える」だけでなく、身の回りのシステムが「どんなミスを想定して作られているのか」を観察してみると、試験の応用力も自然と身についていきます。