平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問78 解説 RAIDの利用目的
RAIDの利用目的として,適切なものはどれか。
- ア 複数のハードディスクに分散してデータを書き込み,高速性や耐故障性を高める。 ✓ 正答
- イ 複数のハードディスクを小容量の筐体に収納し,設置スペースを小さくする。
- ウ 複数のハードディスクを使って,大量のファイルを複数世代にわたって保存する。
- エ 複数のハードディスクを,複数のPCからネットワーク接続によって同時に使用する。
解説
RAIDは「複数のハードディスクを束ねて、1つのディスクのように扱う技術」です。選択肢の中で、RAIDの本来の目的である「高速化」と「故障への備え(耐故障性)」の両方に触れているのは選択肢アだけであるため、これが正解です。
RAIDが求められる理由
ハードディスクのような記憶装置は消耗品であり、いつかは故障します。もし1台のハードディスクだけで重要なデータを管理していると、そのディスクが壊れた瞬間にデータは失われてしまいます。また、大容量のデータを読み書きする場合、1台のディスクの物理的な読み取り速度には限界があります。
こうした課題を解決するために開発されたのがRAIDです。複数のハードディスクを組み合わせることで、万が一の故障に備えたり(耐故障性)、データを並行して書き込むことで処理速度を上げたり(高速性)が可能になります。
判断のプロセス
ITパスポート試験でRAIDの問題が出た際は、以下のキーワードをセットで思い浮かべるのが鉄則です。
・冗長性(じょうちょうせい):予備を持たせること。故障してもシステムが止まらないようにする性質。 ・高速性:データを分散して読み書きすることで、待ち時間を減らす性質。
他の選択肢を検討してみましょう。 イの「設置スペースの削減」は、小型のハードディスクやクラウドストレージなどの物理的な設計の話であり、RAIDの目的とは異なります。 ウの「世代管理」は、バックアップソフトウェアやファイルシステムの機能であり、RAIDそのものの機能ではありません。 エの「複数のPCからの接続」は、NAS(Network Attached Storage)やSAN(Storage Area Network)といったネットワークストレージの概念であり、これもRAIDとは別の技術です。
実務現場におけるRAID
実際の現場では、サーバやNASの構築時に必ずといっていいほどRAIDが利用されます。例えば、RAID 1(ミラーリング)という方式では、同じデータを2台のディスクに同時に書き込みます。これにより、片方のディスクが故障しても、もう片方のデータが無事であるため、業務を止めることなく交換作業が可能です。
また、動画編集用の高価なサーバや、膨大なデータを処理するデータベースでは、RAID 0やRAID 5、RAID 6といった方式が使い分けられます。ITパスポートでは、これら個別の方式まで詳しく問われることは稀ですが、「RAIDはデータを分散させて、壊れにくく・速くするための技術である」という本質的な理解をしておくことが、実務でも試験でも非常に重要になります。