平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問80 解説 オーサリングソフト
マルチメディアを扱うオーサリングソフトの説明として,適切なものはどれか。
- ア 文字や図形,静止画像,動画,音声など複数の素材を組み合わせて編集し,コンテンツを作成する。 ✓ 正答
- イ 文字や図形,静止画像,動画,音声などの情報検索をネットワークで簡単に行う。
- ウ 文字や図形,静止画像,動画,音声などのファイルの種類や機能を示すために小さな図柄で画面に表示する。
- エ 文字や図形,静止画像,動画,音声などを公開するときに著作権の登録をする。
解説
オーサリング(authoring)の語源である「著者(author)」をイメージし、素材を組み合わせてひとつの作品を作り上げる役割に着目して選択肢を検討してください。
オーサリングソフトの役割
オーサリングソフトとは、コンピュータ上でマルチメディアコンテンツを構築するためのソフトウェアです。マルチメディアとは、文字、静止画、動画、音声など、異なる種類の情報を組み合わせたものを指します。
このソフトの最大の特徴は、単にファイルを保存したり閲覧したりするツールではなく、それらの素材をひとつの作品としてまとめ上げる「統合」機能を持っている点にあります。例えば、プレゼンテーションソフトやWebサイト作成ソフト、学習用教材作成ソフトなどが代表的なオーサリングソフトにあたります。
選択肢の判断プロセス
正解であるアは、まさにこの「複数の素材を組み合わせて一つのコンテンツを作成する」という、オーサリングソフトの定義そのものを説明しています。
一方で、他の選択肢がなぜ誤りであるかを確認すると、より理解が深まります。 ・イ:情報検索を簡単に行うのは「検索エンジン」や「データベース管理システム」の役割です。 ・ウ:ファイルの種類を小さな図柄(アイコン)で表示するのは、OSが提供する「GUI(グラフィカルユーザインタフェース)」や「ファイラー」の基本的な機能です。 ・エ:著作権の登録は、公的な機関や権利保護サービスが行う手続きであり、ソフトの機能とは直接関係ありません。
試験では「オーサリング=作る、統合する」というキーワードをセットで覚えておきましょう。
コンテンツ制作における位置づけ
オーサリングソフトは、素材を用意する「編集ソフト」と、完成したコンテンツを世に出す「配布・公開環境」の間をつなぐ司令塔のような存在です。
たとえば、動画編集ソフトでカット編集した素材と、録音ソフトで作成したナレーション音声を読み込み、それらを時間軸に合わせて配置し、クリックでページがめくれるような操作性を付加するのがオーサリングの工程です。IT現場においては、eラーニング教材の開発や、デジタルサイネージの表示管理など、視覚的に情報を伝える業務で頻繁に使用されます。この言葉を理解しておくことで、マルチメディアコンテンツがどのような手順で組み立てられるのか、その設計図を描く力が養われます。