平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問81 解説 情報セキュリティの要素
システムへのアクセスに使用している通信ケーブルを誤って切断した。このとき,情 報セキュリティのマネジメント要素のうち,どれが低下したことになるか。
- ア 可用性 ✓ 正答
- イ 完全性
- ウ 機密性
- エ 保全性
解説
通信ケーブルの切断によって「システムが使えなくなった」という状況に注目してください。情報セキュリティの3要素(CIA)のうち、システムがいつでも利用できる状態を指す「可用性」が損なわれたと判断するのが正解への近道です。
情報セキュリティの3要素とは
情報セキュリティを維持するためには、以下の3つの要素をバランスよく保つ必要があります。これを頭文字をとってCIAと呼びます。
・機密性(Confidentiality):許可された人だけが情報にアクセスできること ・完全性(Integrity):情報が正確で、改ざんされていないこと ・可用性(Availability):必要な時にいつでもシステムやデータが利用できること
今回の問題は、通信という「経路」が物理的に断たれたことで、本来利用できるはずのサービスが停止してしまったため、可用性の欠如に該当します。
問題の状況から要素を絞り込む思考法
この種の問題を解く際は、何が失われたのかを具体的にイメージします。
・機密性が失われるケース:パスワードが漏洩して第三者が勝手にログインした ・完全性が失われるケース:データが書き換えられたり、誤ったデータに上書きされた ・可用性が失われるケース:サーバーがダウンした、ネットワークケーブルが切れた、自然災害で建物に入れない
今回の「ケーブル切断」は、データが盗まれたわけでも、内容が改ざんされたわけでもありません。単に「通信ができず、システムにつながらない」という状態です。したがって、真っ先に「可用性」の低下を疑うのが論理的な解き方となります。
実務における可用性の重要性
ITパスポート試験でこの概念が問われるのは、可用性がシステムの安定稼働に直結するからです。実務現場では、可用性を高めるために様々な対策が行われます。
例えば、ケーブルが切れても大丈夫なように通信経路を2重化する、サーバーを予備機として待機させておく、停電に備えて無停電電源装置(UPS)を導入するといった取り組みです。これらはすべて「万が一の事態が起きても、可用性を維持し、業務を止めないこと」を目的にしています。
また、意図的な切断だけでなく、サイバー攻撃による「DoS攻撃(サービス拒否攻撃)」も可用性を狙う代表的な攻撃手法です。可用性を学ぶことは、システムの強固な基盤を作るための第一歩といえます。