平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問83 解説 DRAMの特徴
PC に利用される DRAM の特徴に関する記述として, 適切なものはどれか。
- ア アクセスは, SRAM と比較して高速である。
- イ 主記憶装置に利用される。 ✓ 正答
- ウ 電力供給が停止しても記憶内容は保持される。
- エ 読出し専用のメモリである。
解説
DRAMの特徴は、一言でいうと「大容量だが低速な揮発性メモリ」です。選択肢を一つずつ吟味する際は、SRAMとの対比や、メモリの役割(主記憶か補助記憶か)に注目して排除していくのが効率的です。
メモリの種類と役割を知る
PCのメモリには大きく分けてSRAM(Static RAM)とDRAM(Dynamic RAM)があります。
DRAMは、コンデンサに電気を蓄えることでデータを保持する仕組みです。構造が単純なため、ひとつのチップに多くの素子を詰め込むことができ、大容量かつ安価に製造できます。この特性から、PC全体の作業スペースである主記憶装置(メインメモリ)として採用されています。
一方、SRAMはフリップフロップ回路を用いるため、コンデンサのように定期的に充電(リフレッシュ)する必要がなく、高速に動作します。しかし構造が複雑で高価になるため、CPUの近くに置くキャッシュメモリなどに限定して使用されます。
なぜ他の選択肢は誤りなのか
まず「ア」のアクセス速度ですが、前述の通りSRAMの方が高速です。DRAMはコンデンサの充電状態を読み取る仕組み上、どうしてもSRAMに遅れをとります。
次に「ウ」の記憶保持については、DRAMは「揮発性」のメモリです。電気を蓄えるコンデンサは時間とともに自然放電してしまうため、定期的にリフレッシュ操作をしなければデータが消えてしまいます。つまり、電源を切るとデータは保持されません。電源を切ってもデータが消えないのは、HDDやSSDなどの補助記憶装置や、ROM(Read Only Memory)の役割です。
最後に「エ」についてですが、DRAMは読み書きが可能なメモリです。読出し専用であればROMという名称になり、書き換えができないという制約がつきます。DRAMの「RAM」はRandom Access Memoryの略であり、自由に読み書きできることが前提です。
実践現場でのメモリ選び
ITパスポートの試験において、この知識は「PCのスペック表を読み解く能力」を養うために重要です。例えば、PCの購入を検討する際に「メモリ容量」を確認することは一般的ですが、なぜそのメモリが主記憶として使われているのかという背景を知ることで、メモリ増設がなぜPCの動作を快適にするのか、というPCアーキテクチャの根幹を理解できるようになります。
また、システム構成を設計する際、高速なSRAM(キャッシュ)と大容量なDRAM(メインメモリ)、そして大容量で安価なストレージ(SSD等)を組み合わせる階層構造の考え方は、限られたコストと性能のバランスを最適化する際の実務的な判断基準となります。