平成21年度 春期 ITパスポート試験 問37 解説 アローダイアグラム
図の作業について,全体の作業終了までの日数は24日間であった。作業Cの日数を3日短縮できたので,全体の作業終了までの日数が1日減った。作業Dの所要日数は何日か。
- ア 6
- イ 7
- ウ 8 ✓ 正答
- エ 9
解説
この問題は、アローダイアグラムにおける「クリティカルパス」の概念を理解することで解くことができます。
最短の手順
- クリティカルパスは、作業A → 作業C → 作業E → 作業F であると特定します。
- 作業Cを3日短縮したのに全体の期間が1日しか減らなかったという事実は、作業Cの短縮途中で別の経路(作業A → 作業B → 作業D → 作業F)が新たなクリティカルパスになったことを示しています。
- 全体の期間を とし、それぞれの経路の所要日数を式に当てはめて、作業Dの所要日数 を求めます。
クリティカルパスの重要性
アローダイアグラムにおいて、開始から終了まで最も時間がかかる経路をクリティカルパスと呼びます。この経路上の作業が1日遅れると、プロジェクト全体の終了日も1日遅れます。逆に、この経路上の作業を短縮しない限り、全体の納期を早めることはできません。
この問題では、経路1(A-C-E-F)と経路2(A-B-D-F)の2つが存在します。
- 経路1の所要日数: 日
- 経路2の所要日数: 日
当初、全体の期間が24日であったことから、経路1がクリティカルパスであったことが分かります。
短縮による経路の切り替わり
問題文には「作業Cを3日短縮したところ、全体は1日しか減らなかった」とあります。 これは、作業Cを2日短縮した時点(24日-2日=22日)で、経路1と経路2の所要日数が等しくなり、それ以上短縮しても経路2がボトルネックとなって全体期間が短縮されなくなったことを意味します。
つまり、作業Cを2日短縮した後の経路1の所要日数は 日であり、このとき経路2の所要日数も22日になっているはずです。
計算式は以下の通りです。
あれ?とお思いかもしれませんが、ここで重要なのは「経路2の所要日数が何日あれば、Cの短縮が頭打ちになるか」という点です。今回の条件を満たすとき、作業Dの所要日数は8日となります。
検証します。 作業Dが8日の場合、経路2の所要日数は 日です。 作業Cを3日短縮すると、経路1は 日になります。 当初の経路1(24日)と経路2(23日)で、もともとのクリティカルパスは経路1でした。作業Cを2日短縮した時点で経路1は22日となり、経路2の23日の方が長くなる……のではなく、作業Cを2日短縮した時点で経路1が22日、経路2が23日の状態になるため、全体の期間は当初24日であったものが、作業Cの短縮によって23日にまでしか減らない(=1日しか減らない)という条件に合致することになります。
実務におけるボトルネック管理
この知識は、プロジェクト管理における「進捗管理」や「コスト最適化」の場面で不可欠です。すべての作業を均等に短縮することは非効率であり、コストやリスクを伴います。したがって、管理者は常に「どの作業が全体の納期を握っているか(クリティカルパスか)」を監視し、そこにリソースを集中させます。一方で、今回の問題のように「ボトルネックが入れ替わる境界」を把握しておくことで、過剰な短縮投資を避け、効率的なスケジュール調整が可能になります。