平成21年度 春期 ITパスポート試験 問41 解説 ファンクションポイント法
ファンクションポイント法に関する記述はどれか。
- ア ソフトウェアのもつ機能の数を基に,その規模を見積もる手法 ✓ 正答
- イ プログラムの行数やファイルサイズなどを基に,ソフトウェアの規模を見積もる手法
- ウ 見積担当者の経験から楽観値や悲観値を割り出してソフトウェアの規模を見積もる手法
- エ 予想されるプログラム行数にエンジニアの能力や要求の信頼性などの補正係数を掛け合わせて開発工数や期間,要員や生産性を見積もる手法
解説
ファンクションポイント法の見分け方
この問題の正解はアです。ファンクションポイント法(FP法)を見分ける最大のポイントは「機能の数」というキーワードです。ソフトウェアの規模を見積もる手法はいくつか存在しますが、コードの量(行数)ではなく、ユーザーから見た「機能の数や複雑さ」に着目するのがFP法であると覚えておけば、迷わず正解を選べます。
ソフトウェア規模見積もり手法の分類
ソフトウェアの開発規模を見積もる際、大きく分けて「コードに着目する手法」と「機能に着目する手法」の2つがあります。
コードに着目する手法の代表格が、選択肢イにあるLOC(Lines Of Code)法です。これはプログラムのソースコードが何行になるかを予測する手法ですが、言語やプログラマーのスキルによって行数が大きく変わるという欠点があります。
一方、FP法はシステムが提供する入力、出力、照会、内部ファイルといった「機能」を数え上げます。これにより、プログラミング言語に依存せず、上流工程の設計段階から客観的に規模を見積もることが可能になります。
消去法のプロセス
他の選択肢を検討することで、より理解が深まります。
選択肢イは、LOC法(行数見積もり)の説明です。 選択肢ウは、PERTやデルファイ法などの見積もり手法を指しています。経験に基づいた勘だけでなく、複数の見積もり値を計算式に当てはめる手法などがこれに該当します。 選択肢エは、COCOMO(Constructive Cost Model)法についての説明です。プログラム行数に補正係数を掛けて工数を算出する手法であり、FP法とはアプローチが全く異なります。
試験本番では、まず「ファンクションポイント = 機能の数」という直結するキーワードを探し、それが他の選択肢と混ざっていないかを確認するだけで素早く回答できます。
なぜ機能ベースの見積もりが重要なのか
実務においてFP法が重要視されるのは、ユーザーの満足度と直結するからです。発注者(ユーザー)にとって、ソースコードが何行あるかは重要ではありません。「画面から入力できる項目がいくつあるか」「どのような帳票が出力されるか」といった機能こそが、システムの実感できる価値そのものだからです。
ITパスポート試験においてこの知識が問われるのは、開発の初期段階で「何を基準に見積もるか」というマネジメントの基礎的な考え方を問うているからです。プロジェクトを成功させるには、開発者目線の行数だけでなく、ユーザー目線の機能数を評価する視点が不可欠であり、その重要性を理解しているかどうかが試されています。