平成21年度 春期 ITパスポート試験 問48 解説 進捗率の計算
あるシステムの設計工程における設計書作成の予定所要工数,及び現在の各設計書の進捗率は表のとおりである。予定どおりの所要工数で完了まで進むものとして,すべての設計書の完了を100%としたとき,現在の全体の進捗率(%)は幾らか。
- ア 40
- イ 47
- ウ 53 ✓ 正答
- エ 60
解説
全体の進捗率を求めるには、各作業の「完了した工数(実績)」を合計し、それを「予定していた全工数」で割るという手順を踏みます。計算式は以下の通りです。
完了工数を計算する
まず、それぞれの項目でどれだけの工数が消化されたかを算出します。
- 外部設計書:
- 内部設計書:
- プログラム設計書:
これらを合計すると、 が現時点での完了工数です。
次に、全体の予定工数を合計します。
最後に、これらを用いて全体の進捗率を出します。 百分率に直すと約53%となります。
加重平均という考え方
この問題で重要なのは、単純に「100%, 50%, 30%の平均(60%)」を出すのではなく、それぞれの作業規模(工数)に応じた重み付けを行っている点です。これを統計学用語では「加重平均」と呼びます。
規模の大きい作業が少ししか進んでいないのか、それとも規模の小さい作業だけが早く終わっているのかによって、プロジェクト全体の進捗は大きく異なります。大きな作業ほど全体の進捗率に与える影響度が大きくなるよう計算するのは、プロジェクト管理において非常に理にかなった手法です。
なぜこの計算が必要なのか
システム開発現場では、複数のタスクが並行して進むことが一般的です。その中で、「今のプロジェクトは順調なのか、遅れているのか」を客観的な数値として把握しなければなりません。
例えば、単純な平均値だけを見ていると、終わりの早い小さいタスクばかりが進んでいて、実はプロジェクトの核となる大きなタスクが全く進んでいないという「見かけ上の進捗率の高さ」に騙されてしまう危険性があります。プロジェクトマネージャは、このような加重平均を用いて進捗を可視化することで、どこにボトルネックがあるのか、リソースをどこに集中させるべきかを判断する材料にしています。ITパスポート試験では、こうしたマネジメントの基礎的な数理的アプローチの重要性を問う意図があります。