平成22年度 秋期 ITパスポート試験 問18 解説 ビジネス戦略の総合評価
問18 A社では前年度に実施したビジネス戦略の評価を進めている。表に示す条件の場合、総合評価の評点は何点か。 〔総合評価の方法〕 (1) 戦略項目ごとの評価方法・基準によって評点を求める。 (2) (1)の評点に重み付けしたものを合計して総合評価の評点を求める。
- ア 75
- イ 82
- ウ 85 ✓ 正答
- エ 105
解説
この問題は、各戦略項目の実績を基準に照らして評点を出し、それに重みを掛けて合算する手順で解きます。
各項目の評点算出プロセス
まず、与えられた実績値がどの評点に該当するかを一つずつ確認します。
売上高増加率(実績 2.4%) 評価基準を確認すると「2%以上ならば110点」に該当します。したがって、評点は110点です。
新製品開発件数(実績 1件) 評価基準を確認すると「1件ならば100点」に該当します。したがって、評点は100点です。
顧客満足度(実績 4、目標 4) 評価基準は「目標よりも1ランク以上向上すれば100点、それ以外は0点」です。現状は目標値と同じであり、向上していないため評点は0点となります。
重み付けによる総合評価の計算
次に、算出した各評点にそれぞれの重みを掛け合わせ、最後に合計します。
計算式は以下の通りです。
各項を計算すると:
よって、総合評価の評点は85点となります。
戦略評価の仕組みと重み付けの意義
この問題は、経営管理における目標管理や業績評価の基本的な手法を問うものです。単に結果を羅列するのではなく、会社が特に重視したい項目に重み(ウェイト)を置くことで、組織がどの方向へ向かいたいのかを明示する意図があります。
重み付けを行うことで、すべての目標を均等に扱うのではなく「売上高増加率のような経営基盤を支える項目には大きなウェイトを置く」「顧客満足度のような改善が難しい項目は、現状維持では評価しない」といった戦略的なメッセージを評価体系に組み込めます。
実務での活用場面
このような評価手法は、バランス・スコアカード(BSC)といったフレームワークでよく利用されます。企業が戦略を実行する際、単なる財務数値だけでなく、顧客視点、業務プロセス視点、学習と成長の視点といった複数の側面から総合的に成果を評価するために活用されます。
ITパスポート試験でこの考え方を理解しておくことは、システム開発プロジェクトや業務改善プロジェクトにおいて、どのようなKPI(重要業績評価指標)を設定し、どの指標を優先して達成すべきかを考える土台となります。