平成22年度 秋期 ITパスポート試験 問56 解説 XMLの定義と特徴
文書の構造などに関する指定を記述する,“<”と“>”に囲まれるタグを,利用者が目的に応じて定義して使うことができる言語はどれか。
- ア COBOL
- イ HTML
- ウ Java
- エ XML ✓ 正答
解説
タグをユーザーが自由に定義できるという点が、この問題を解くための最大の決め手です。選択肢の中で、タグが最初から決まっている言語と、自分でタグを作れる言語を区別することで正解にたどり着けます。
XMLの最大の特徴は「拡張性」にある
問題文にある「利用者が目的に応じて定義して使うことができる」という性質を英語でエクステンシブル(Extensible:拡張可能)と呼びます。XML(Extensible Markup Language)という名称自体が、まさにこの特徴を指しています。
通常、Webページを作成するHTMLなどの言語は、あらかじめ決められたタグ(例:pタグなら段落、h1タグなら見出しなど)しか使えません。しかし、XMLにはそのような固定されたタグが存在しません。たとえば、社内の顧客情報を管理したい場合に「<顧客名>」「<購入金額>」といった独自のタグを自分たちで作って文書を記述できるのです。
なぜ他の選択肢ではいけないのか
判断の分かれ目は「それが何をするためのものか」という点にあります。
アのCOBOLとウのJavaは、コンピューターに命令を与えて計算や処理を実行させる「プログラミング言語」です。これらは文書の構造を記述するためのマークアップ言語とは目的が異なります。
イのHTMLは、Webブラウザで文書を表示するための「マークアップ言語」ですが、タグは規格によって決まっています。HTMLで勝手に「<私の好きな食べ物>」のようなタグを作っても、ブラウザはその意味を正しく理解して表示することはできません。
このように、「言語の種類(プログラミングかマークアップか)」と「タグの柔軟性(固定か拡張可能か)」という二つの軸で整理すると、誤った選択肢を確実に取り除くことができます。
実務での活用のされ方
XMLは、主にシステム間で「データの意味」をやり取りする際に活用されています。
たとえば、異なるシステム間で注文データを送る際、ただの数字や文字の羅列だと、どこが商品名でどこが価格なのか分かりません。しかし、XMLを使って <商品名>リンゴ</商品名> <価格>100</価格> と記述すれば、受け取った側はタグを手がかりにして「これは商品名だな」「これは価格だな」と正確にデータを解釈できます。
近年ではより軽量なJSONという形式が使われることも増えましたが、データの構造を明確に定義できるXMLの仕組みは、設定ファイルやデータベースの連携など、依然として多くのIT現場で重要な役割を担っています。試験では、この「データの意味を定義してやり取りできる」というXMLの役割をしっかり押さえておきましょう。