平成22年度 秋期 ITパスポート試験 問57 解説 命令実行時間の計算
クロック周波数 2 GHz のプロセッサにおいて一つの命令が 5 クロックで実行できるとき,1 命令の実行に必要な時間は何ナノ秒か。
- ア 0.1
- イ 0.5
- ウ 2.5 ✓ 正答
- エ 10.0
解説
計算の手順
- 1クロックあたりの時間を求めます。周波数 なので、その逆数 です。
- 1命令に必要なクロック数(5クロック)を掛けます。 となります。
クロック周波数と時間の関係
プロセッサの処理速度を表す指標の一つがクロック周波数です。これは1秒間にクロック信号が何回発生するかを示しています。クロック信号とは、プロセッサ内の回路が動作するための「刻み」のようなものです。
周波数が高いほど、1クロックの時間は短くなります。計算式は「時間 = 1 / 周波数」です。単位の接頭辞である「ギガ(G)」は (10億)、「ナノ(n)」は (10億分の1)を意味します。この関係を覚えておくと、単位の変換で迷わなくなります。
思考の組み立て方
この問題では「周波数から時間への変換」と「命令ごとの所要サイクル数への適用」という2つのステップを順に行います。
まず、 という数字を見た瞬間に「1秒間に20億回の振動」と変換します。次に、1振動あたりにかかる時間を求めます。 となります。最後に、問題文にある「1命令に5クロックかかる」という情報を適用し、 を計算します。このように、物理的な単位と問題の条件を切り分けて整理することが、計算ミスを防ぐコツです。
性能評価における活用
ITパスポート試験でこの知識を問う目的は、コンピュータの性能が単なる周波数の高さだけで決まるわけではないという視点を養うためです。
実際のコンピュータにおいて、プログラムの実行時間は「命令数 × 1命令あたりのクロック数 × 1クロックの長さ」で決まります。たとえクロック周波数が高くても、1つの命令を完了させるために非常に多くのクロック数が必要なアーキテクチャであれば、実行時間は長くなってしまいます。
エンジニアがサーバーのスペック選定やソフトウェアのチューニングを行う際には、プロセッサの定格クロック数だけでなく、実行される命令の効率性(CPI: Clock Per Instruction)を考慮する必要があります。この問題は、ハードウェアのスペックを読み解くための基礎となる重要な考え方です。