ITパスポート試験 / 平成22年度 秋期 ITパスポート試験 / 問71
certification-simodake-work

平成22年度 秋期 ITパスポート試験 問71 解説 ユニバーサルデザイン

ユニバーサルデザインの考え方として, 適切なものはどれか。

  1. ア 一度設計したら, 長期間にわたって変更しないで使えるようにする。
  2. イ 世界中のどの国で製造しても, 同じ性能や品質の製品ができるようにする。
  3. ウ なるべく単純に設計し, 製造コストを減らすようにする。
  4. エ 年齢, 文化, 能力の違いや障害の有無によらず, 多くの人が利用できるようにする。 ✓ 正答

解説

ユニバーサルデザインの定義において、キーワードは「すべての人」と「最初から」です。選択肢の中で、利用者の属性(年齢、文化、能力、障害の有無など)を限定せず、最初から公平に利用できることを示しているものが正解となります。

ユニバーサルデザインの基本的考え方

ユニバーサルデザイン(Universal Design)とは、製品や環境を設計する段階において、あらかじめ「できるだけ多くの人が利用可能であること」を目指す考え方です。

よく対比される概念に「バリアフリー」がありますが、ここでの明確な区別が理解の鍵です。バリアフリーは、すでに存在している障壁(バリア)を後から取り除くという「修正・改善」の性質が強いのに対し、ユニバーサルデザインは「最初から誰にとっても使いやすいデザインを組み込む」という先見的なアプローチを重視します。

問題を解くための思考プロセス

本問を解く際は、選択肢の記述を「誰のためのデザインか?」という視点で吟味します。

選択肢アは、製品の寿命や保守性に関する記述であり、ユニバーサルデザインの定義とは無関係です。 選択肢イは、製造の標準化やグローバル供給網の話であり、利用者の多様性には触れていません。 選択肢ウは、コスト削減やシンプル化という経済合理性の話であり、アクセシビリティ(利用しやすさ)の観点が欠落しています。

選択肢エのみが「年齢、文化、能力の違い、障害の有無」という、あらゆる利用者の属性を網羅的に挙げた上で、「多くの人が利用できるようにする」という設計指針を述べています。これがユニバーサルデザインの正当な定義です。

現代のシステム設計と社会的意義

この知識は、ITパスポート試験において「社会と情報」という分野で頻出します。現代のITシステム開発においても、ユニバーサルデザインの考え方は「アクセシビリティ」として不可欠です。

たとえば、Webサイトを作る際に、視覚障害者が読み上げソフトを使って情報を得られるようにコーディングしたり、高齢者でも読みやすいコントラスト比やフォントサイズを採用したりすることは、まさにユニバーサルデザインの実践です。

情報社会において、特定の誰かを排除せず、誰もが等しく情報にアクセスできることは、デジタル・デバイド(情報格差)を解消し、公平な社会を維持するための土台となります。試験対策としては、単に暗記するだけでなく、「設計段階から、多様な利用者の存在を想定しているか」という視点を持つことが、問題の本質を理解する近道となります。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう