平成22年度 秋期 ITパスポート試験 問97 解説 並行作業の抽出
Fさんは,全体の作業時間を求めるために表の内容を整理することにした。Fさんは,一連の作業の中で並行して実施可能な作業を抜き出した。並行して実施可能な作業の組合せをすべて挙げているものはどれか。ここで,括弧内は並行して実施可能な作業を示している。
- ア. (②, ③)
- イ. (②, ③) と (④, ⑤, ⑥)
- ウ. (②, ③) と (⑤, ⑥, ⑦) ✓ 正答
- エ. (⑤, ⑥, ⑦)
解説
この問題は、作業の依存関係を整理し、先行作業が同一であるグループを見つけることで解決します。各作業には「これより前に終わらせておくべき作業(先行作業)」が設定されているため、共通の先行作業を持つもの同士は、その先行作業が完了した後に同時に開始できる「並行可能な作業」となります。
作業の依存関係と並行性の判定方法
ITパスポート試験のプロジェクトマネジメント分野で頻出するこの問題は、アローダイアグラム(PERT図)の概念を理解しているかが問われています。
並行して実施可能な作業を見つけるための手順は非常にシンプルです。提示された作業一覧表から、以下の条件を満たす作業のグループを探します。
- 作業同士を比較する。
- それぞれの「先行作業」を確認する。
- 先行作業が完全に一致している(または先行作業が同じグループに属している)作業をひとまとめにする。
例えば、作業Aと作業Bのどちらも「作業1」が終わらなければ開始できない場合、作業Aと作業Bは「作業1の完了後」に並行して進めることができます。
並行可能な作業の導出プロセス
本問題において、作業の並行関係を整理する思考プロセスは以下の通りです。
まず、問題文や表にある先行作業の情報を分解します。 次に、共通する先行作業を持っている作業をピックアップします。
- 作業2の先行作業が1、作業3の先行作業が1である場合、これらは同じスタート地点(1の終了後)から並行して進められます。
- 同様に、作業5、作業6、作業7の先行作業がすべて4である場合、これら3つの作業は4の終了後、互いに待ち時間なく並行して実施可能です。
このルールを適用すると、並行可能なグループは(作業2と作業3)、そして(作業5、作業6、作業7)の2セットとなります。したがって、正解は「(2, 3)と(5, 6, 7)」となります。
実務における作業の効率化とプロジェクト管理
この知識は、実際のビジネス現場で「ボトルネック」を発見し、プロジェクトの総所要期間(クリティカルパス)を短縮するために必須となるスキルです。
例えば、システム開発やイベント準備などのプロジェクトでは、すべてのタスクを順番に行うと時間がかかりすぎてしまいます。ここで「どの作業を同時に進められるか」を分析することで、以下のメリットが生まれます。
- チームのリソース(人員)を最適に配分できる。
- 納期に間に合わせるためのスケジュール管理が容易になる。
- 手待ち時間が発生する箇所を特定し、無駄なコストを削減できる。
試験においては単なるパズル問題に見えるかもしれませんが、これは「効率的な業務遂行」を論理的に考えるための基礎訓練です。特に、ITプロジェクトのように多くのタスクが複雑に絡み合う現場では、このように構造を可視化する能力がプロジェクトマネージャーとして非常に高く評価されます。
参考リンク
- ITパスポート試験公式・アローダイアグラムの解説ページ (試験要綱および概念図の確認に役立ちます)
- プロジェクト管理におけるクリティカルパスの考え方(Qiita) (アローダイアグラムの活用事例が具体的に書かれています)
- PERT図(アローダイアグラム)の定義と読み方(Wikipedia) (アカデミックな定義と技法の歴史を学べます)