平成22年度 春期 ITパスポート試験 問8 解説 営業部門の組織力強化
経営戦略が策定され,その戦略の一つに“営業部門の組織力強化”が掲げられた。 この戦略を実現するための情報システムとして,適切なものはどれか。
- ア MRP システム
- イ POS システム
- ウ SCM システム
- エ SFA システム ✓ 正答
解説
キーワードと選択肢の関連性で判断する
この問題は、設問にある「営業部門の組織力強化」という目的に直結する用語(SFA)を選べるかが鍵です。情報システムの名称は英語の略称であることが多いため、それぞれの単語が何を指しているかを理解していれば、迷わずに正解にたどり着けます。
営業活動を支援するSFAとは
SFAはSales Force Automationの略で、日本語では営業支援システムと訳されます。営業担当者が行っている個別の商談状況、顧客とのやり取り、スケジュールの管理などを一元管理するシステムです。
個人の勘や経験に頼りがちな営業活動をシステム上で共有することで、チーム全体でノウハウを蓄積したり、上司が部下の進捗を的確にフォローしたりできるようになります。まさに「営業部門の組織力強化」を実現するためのツールです。
なぜ他のシステムではいけないのか
選択肢にある他の用語もITパスポート試験の頻出項目です。それぞれの役割を確認し、なぜ今回の目的に合わないのかを整理しましょう。
MRPシステム (Material Requirements Planning) 資材所要量計画と呼ばれ、製造業で必要な部品や原材料の量を計算し、適切な時期に発注するためのシステムです。在庫管理や生産管理に関わるもので、営業部門の直接的な支援ツールではありません。
POSシステム (Point of Sale) 販売時点情報管理システムです。レジで商品のバーコードを読み取った際に、売上データや在庫データをリアルタイムに記録します。店舗での販売データ収集には欠かせませんが、営業担当者が顧客と対話する際の支援機能とは役割が異なります。
SCMシステム (Supply Chain Management) 供給連鎖管理システムです。原材料の調達から製造、物流、販売までの流れ全体を一元管理し、効率化を図る仕組みです。企業間での連携を最適化するための広い範囲を扱うシステムであり、特定の部門の強化というよりは経営全体の最適化を目的とします。
組織におけるシステムの役割
情報システムは、単に便利なツールというだけでなく、経営戦略を具体的に実行するためのインフラとしての側面を持っています。
試験でこのような問題が出る背景には、ITパスポートの受験者に「経営上の課題に対して、最適なITツールを選択できる能力」を求めているという意図があります。実務では、単にツールを導入するだけでなく、「営業力強化にはSFAが必要である」というように、戦略とシステムの対応関係を正しく把握することで、効率的な業務環境を整えることができます。
この知識は、社内で導入されているシステムの目的を理解するだけでなく、自分の仕事のパフォーマンスを上げるために「何が必要か」を考える際の基礎力となります。