平成22年度 春期 ITパスポート試験 問9 解説 バリューチェーン分析
“モノ”の流れに着目して企業の活動を購買,製造,出荷物流,販売などの主活動 と,人事管理,技術開発などの支援活動に分けることによって,企業が提供する製品 やサービスの付加価値が事業活動のどの部分で生み出されているかを分析する考え方 はどれか。
- ア コアコンピタンス
- イ バリューチェーン ✓ 正答
- ウ プロダクトポートフォリオ
- エ プロダクトライフサイクル
解説
選択の判断基準
この問題は、キーワードの対応関係だけで即答できる典型的な知識問題です。
問題文にある「企業の活動を『主活動』と『支援活動』に分ける」「付加価値がどこで生み出されているか分析する」というフレーズが出てきたら、迷わず「バリューチェーン」を選んでください。
バリューチェーン(価値連鎖)の考え方
バリューチェーンとは、企業が行う一連の事業活動を「価値の連鎖」として捉えるフレームワークです。マイケル・ポーターが提唱した概念で、企業を単なる一つの塊として見るのではなく、以下の2種類に分解して可視化します。
主活動(直接的に価値を生む活動) 製品の製造や顧客への配送、販売、アフターサービスなど、原材料が製品に変わり顧客の手元に届くまでの直接的な流れです。
支援活動(主活動を支える活動) 直接的な製造には関わりませんが、人事、技術開発、調達、全社的な管理業務など、企業全体の基盤となって主活動を円滑に進めるための活動です。
これらの活動をバラバラに切り離して分析することで、「どのプロセスでコストがかかりすぎているのか」「どのプロセスが他社にはない強みを生み出しているのか」という、企業競争力の源泉を特定できるようになります。
正解を導くための思考プロセス
試験本番では、問題文のキーワードを拾うだけで十分です。
- 問題文中の「企業の活動を、購買・製造・出荷・販売などの主活動と、人事・技術開発などの支援活動に分ける」という記述を探す。
- この「活動の分類」と「価値(バリュー)の連鎖(チェーン)」を結びつける。
- 他の選択肢(コアコンピタンス、プロダクトポートフォリオ、プロダクトライフサイクル)の定義と照らし合わせる。
他の選択肢は以下のような内容ですので、これらと混同しないように整理しておきましょう。
- コアコンピタンス:他社には真似できない、企業の中核となる強みや技術のこと。
- プロダクトポートフォリオ(PPM):自社の事業を市場成長率と市場占有率の軸で分類し、経営資源の配分を決める手法。
- プロダクトライフサイクル:製品が市場に投入されてから、成長、成熟、衰退していく過程のこと。
ビジネス現場での活用
バリューチェーン分析は、企業の経営戦略を立てる上で非常に実用的な知識です。
例えば、ある製品の価格が高いと感じたとき、バリューチェーンを使って分析すれば、「原材料の調達段階でコストがかかっているのか」「配送プロセスが非効率なのか」「アフターサービスの質が高すぎるのか」といった具体的な原因を突き止めることができます。
単なる試験用の知識にとどまらず、どの業務が利益を生み、どの業務がコストの削減余地があるのかを見極める「経営者の視点」を養うためのツールとして、IT業界のみならずあらゆるビジネスシーンで活用されています。