平成22年度 春期 ITパスポート試験 問13 解説 ASPの定義
ASPの説明として,適切なものはどれか。
- インターネットに接続する通信回線を提供する事業者,又はそのサービス形態
- 会員になったユーザが閲覧できる,閉じたコミュニティを形成するインターネット上のサービス
- サーバ上のアプリケーションソフトウェアを,インターネット経由でユーザに提供する事業者,又はそのサービス形態 ✓ 正答
- 情報システムをハードウェアやソフトウェアといった製品からの視点ではなく,ユーザが利用するサービスという視点から構築していこうとする考え方
解説
この問題は、アルファベットの略語が何を指しているかを特定する知識問題です。ASPという用語を見たら、Application(アプリケーション)Service(サービス)Provider(提供者)の略であると即座に連想し、ソフトウェアをネットワーク経由で貸し出すビジネスモデルであると判断します。
ASPの概念と仕組み
ASPはApplication Service Providerの略称です。従来、ソフトウェアといえば自社のサーバやパソコンにインストールして使うものでした。しかし、ASPはソフトウェアそのものではなく、ソフトウェアの機能をインターネット越しに利用させるサービス形態です。
例えば、会計ソフトや顧客管理システムを導入する場合、自社でサーバを立てる必要はありません。ASP事業者が管理するサーバにあるソフトにWebブラウザからアクセスすることで、いつでもどこからでも業務を行えるようになります。この仕組みにより、導入コストの削減や運用負荷の軽減が可能になります。
選択肢の判断プロセス
ASPという用語を「アプリケーションをサービスとして提供する」と訳せるかが分かれ目になります。
・インターネットに接続する通信回線を提供する事業者:これはISP(Internet Service Provider)の説明です。 ・閉じたコミュニティを形成するサービス:これはSNS(Social Networking Service)や会員制サイトの説明です。 ・サーバ上のアプリをインターネット経由で提供する:これがASPの定義そのものです。 ・ユーザが利用するサービスという視点での構築:これはITサービスマネジメントやITILの考え方に関連する記述です。
この問題では、ASPとISPのような似た名前の略語を混同していないか、また、技術用語の定義を正確に暗記しているかが問われています。
現代におけるASPの立ち位置
現在、ASPはクラウドコンピューティングという広大な概念の中に含まれる「SaaS(Software as a Service)」とほぼ同義として扱われています。昔からある用語であるASPと、近年のトレンドであるSaaSは非常に似ているため、試験対策としては「ASPはSaaSの先駆け的なモデルである」とセットで覚えておくのが効率的です。
実際のビジネス現場では、経理、勤怠管理、販売管理などのシステムを自社開発せずに、これらのサービスを契約して利用することが当たり前になっています。企業がシステムを「所有」する時代から、インターネットを通じて「利用」する時代へ変化したことを象徴する用語として、この知識は実務でも非常に重要です。