平成22年度 春期 ITパスポート試験 問29 解説 業務の流れの図式化
業務の流れを,図式的に記述することができるものはどれか。
- E-R図
- UML ✓ 正答
- 親和図法
- ロジックツリー
解説
業務の流れを図にするための考え方
この問題は、提示された選択肢の中から「プロセスの可視化」に特化した手法を見抜くことがポイントです。「流れ」という言葉が出てきたら「動き」や「順序」に着目しましょう。UMLはシステム開発における図解の共通言語であり、その中の「アクティビティ図」がまさに業務の流れを記述するために使われます。
UMLが選ばれる理由
UML(Unified Modeling Language)とは、オブジェクト指向ソフトウェア開発で用いられる標準的な表記法です。UMLには目的に応じて複数の図が用意されています。
業務の流れ(プロセス)を表現したい場合に活躍するのが、UMLの中の一つである「アクティビティ図」です。アクティビティ図は、開始から終了までの一連の処理、条件分岐、並行処理などをフローチャートのように表現できるため、システムの動きだけでなく、人間が行う業務の手順書としても非常に有用です。
他の選択肢が何に使われるのかを知っておくと、迷わずに正解を選べるようになります。
・E-R図(Entity-Relationship Diagram) データとデータの関連性を表す図です。データベースを設計する際に、「どのデータがどのデータと紐付いているか」を整理するために使います。業務の「流れ」ではなく、データの「構造」に注目した図です。
・親和図法 混沌とした情報をグループ分けして整理する手法です。集めたアイデアや意見を関連性の高いもの同士でまとめ、本質的な課題を見つけ出すために使います。
・ロジックツリー 一つの大きな課題を、論理的に細分化していく手法です。問題をツリー状に分解することで、漏れやダブりがないように分析を進めることができます。
試験問題を解くための思考プロセス
問題文の「業務の流れを、図式的に記述する」というキーワードから、頭の中で以下の順序で絞り込みを行います。
- 「流れ」という言葉があるか?(あるならプロセスやフローに関する選択肢を優先する)
- 選択肢の中に、フローチャートのような動きを記述できる用語はあるか?(あればその可能性が高い)
- 他の選択肢は「データ構造」「アイデア整理」「論理的な分解」など、別の目的に特化していないか確認する。
このように、各専門用語が「何の目的のために使う手法なのか」を1対1で対応させて覚えておくことが、ITパスポート試験で確実に得点するための王道です。
現場で役立つ図解のスキル
業務フロー図を作成するスキルは、プログラマーだけでなく、ビジネスの現場で非常に高く評価されます。「誰が、いつ、何をして、次に何が起こるのか」を可視化できれば、チーム内で認識の齟齬(そご)を減らし、業務の効率化やシステムの改善をスムーズに進められるからです。ITパスポートで学ぶこれらの図解手法は、システム開発の設計図としてだけでなく、日々の業務改善における共通言語としても活用できる一生モノの知識です。