平成22年度 春期 ITパスポート試験 問35 解説 アローダイアグラム
図のアローダイアグラムで,AからGに至る全体の作業日数に影響を与えないことを条件に,C→Fの作業の遅れは最大何日間まで許容できるか。
- ア 1
- イ 2
- ウ 3
- エ 4 ✓ 正答
解説
この問題は、プロジェクトの最短完了期間を求め、その期間に対する特定の作業の余裕時間(フロート)を計算することで解くことができます。
最短手順は以下の通りです。
- 各経路の所要日数を計算し、最も長い「クリティカルパス」を見つける。
- 作業C→Fが含まれる経路の所要日数を計算する。
- クリティカルパスの日数から、作業C→Fを含む経路の日数を引く。
最短完了期間の算出
まず、開始点Aから終了点Gに至るすべてのルートとその合計日数を書き出します。
- A→B→D→F→G: 日
- A→C→F→G: 日
- A→C→D→F→G: 日
- A→E→F→G: 日
- A→E→G: 日
すべてのルートの中で最も日数がかかるのは17日です。これが全体の最短完了期間(クリティカルパス)となります。
作業の余裕(フリーフロート)の考え方
問題は、作業C→Fを何日遅らせても全体の17日に影響しないか、という問いです。
ここで注目すべきは、作業C→Fが合流する地点「F」にいつまでに到達しなければならないか、という制約です。地点Fに到達するルートは複数ありますが、最も早いルートがボトルネックになります。
作業C→Fを終えてFに到達する日数は、日です。 一方、Fに到達する他のルートを確認すると、例えばA→B→D→Fは、日かかります。
つまり、作業C→Fは9日目に終わりますが、Fには他の作業(A→B→Dなど)が完了する13日目まで待機していれば全体に影響はありません。 この余裕時間は、日となります。
アローダイアグラムとプロジェクト管理
アローダイアグラムは、個々の作業の順序関係を可視化し、プロジェクト全体で最も時間がかかる経路を特定するための手法です。この最も長い経路が「クリティカルパス」と呼ばれ、ここにある作業が一日でも遅れると、プロジェクト全体の完了日が後ろ倒しになります。
この問題のように、クリティカルパス以外の経路には「余裕」が存在します。この知識は、実際のビジネスの現場において、リソース(人員や予算)をどこに集中させるべきかを判断するために不可欠です。例えば、クリティカルパス上の作業には熟練者を配置し、余裕のある作業には他の作業との兼ね合いを見ながら人員を柔軟に配置するといった最適化が可能になります。
試験においてこの問題が出題される意図は、単なる計算能力を問うことではなく、プロジェクト管理における「ボトルネックを見極め、影響範囲を特定する力」を測ることにあります。複雑なプロジェクトでも、すべての作業が同じ重要度を持つわけではないことを理解しているかが、マネジメント層としての視点を養う鍵となります。