平成22年度 春期 ITパスポート試験 問64 解説 ルータの機能
ルータの機能の説明として,適切なものはどれか。
- ア 写真や絵,文字原稿などを光学的に読み込み,ディジタルデータに変換する。
- イ ディジタル信号とアナログ信号の相互変換を行う。
- ウ データの通信経路を制御し,ネットワーク間を中継する。 ✓ 正答
- エ ネットワークを利用してWebページのデータ蓄積や提供を行う。
解説
ルータという単語を目にしたとき、真っ先に「ネットワーク同士をつなぐ交通整理役」というイメージを浮かべるのが正解への最短ルートです。選択肢の中から「経路制御(ルーティング)」と「中継」というキーワードを探せば、他の選択肢に惑わされることはありません。
ネットワークを交通整理する役割
ルータの役割は、インターネットなどのネットワークとネットワークを接続し、データ(パケット)を目的地まで届けることです。
私たちの手元にあるパソコンやスマホがネットワークに接続されている際、データは宛先に向かって無数の経路を駆け抜けます。このとき、どの道を通れば最も効率よく目的地に辿り着けるかを判断し、中継地点としてデータを次のネットワークへ送り出すのがルータの仕事です。
この機能は、OSI参照モデルというネットワークの通信ルールにおいて、第3層(ネットワーク層)に位置付けられています。ここでの通信はIPアドレスを基に制御されるため、ルータは「このIPアドレス宛のデータは、こちら側のネットワークに送ればいい」という地図(ルーティングテーブル)を持ってデータを受け渡ししています。
選択肢をどう見分けるか
試験では、ネットワーク関連機器の混同を誘う問題が頻出します。各選択肢がどの機器を指しているかを確認しましょう。
・ア:スキャナや複合機の機能です。アナログ情報をデジタル化する機器です。 ・イ:モデムの機能です。電話回線のアナログ信号と、コンピュータが扱うデジタル信号を変換します。 ・ウ:ルータの機能です。まさに「経路の選択」と「中継」がポイントです。 ・エ:Webサーバの機能です。HTMLファイルなどの情報を保管・配信する役割を持っています。
このように、それぞれの機器には「信号変換なのか」「データ保管なのか」「経路制御なのか」という明確な役割分担があります。ルータに関しては「経路(ルート)」という名前に注目すれば、自然と「通信経路を制御する」という選択肢に繋がります。
現実世界におけるルータの存在感
私たちが家庭で利用しているWi-Fiルータも、この原理で動いています。自宅内の複数のデバイスと、外部のインターネットという「異なるネットワーク」の間をルータが中継しているため、私たちは意識することなくWebサイトを閲覧できます。
ネットワークエンジニアの世界では、大規模な組織のネットワークを構築する際、どのルータをどこに配置し、どのような経路情報を設定するかを設計することが非常に重要な業務となります。この問題は、ITのインフラを支える通信経路の仕組みという、極めて基本的かつ実用的な概念を問うています。ルータがネットワークの境界線にある「門番」であり、同時に「案内人」であるというイメージを持っておくと、上位試験の学習でもスムーズに応用が効くはずです。