ITパスポート試験 / 平成24年度 秋期 ITパスポート試験 / 問1
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平成24年度 秋期 ITパスポート試験 問1 解説 営業秘密の保護

営業秘密を保護する法律はどれか。

  1. ア. 独占禁止法
  2. イ. 特定商取引法
  3. ウ. 不正アクセス禁止法
  4. エ. 不正競争防止法 ✓ 正答

解説

企業が保有する独自の技術や顧客リストなどの営業秘密を守るための法律は、不正競争防止法です。この問題は、各法律がどのような目的で、誰を、何から守るために制定されているのかという守備範囲を整理することで正解を導き出せます。

営業秘密を保護する法的枠組み

不正競争防止法は、事業者間の公正な競争を確保することを目的とした法律です。この法律の中で、営業秘密は重要な保護対象として位置づけられています。

営業秘密として認められ、法的な保護を受けるためには、以下の三つの要件(営業秘密三要件)をすべて満たす必要があります。

  1. 秘密管理性:秘密として厳重に管理されていること(例:パスワード設定やアクセス制限がある)。
  2. 有用性:事業活動に役立つ技術上または営業上の情報であること。
  3. 非公知性:一般には知られていない情報であること。

ライバル企業が不正な手段でこれらの情報を入手したり、退職者が情報を持ち出して競合他社に売却したりする行為は「不正競争」とみなされ、差し止め請求や損害賠償の対象となります。

各法律の目的と対象の識別

選択肢にある他の法律は、保護する対象や目的が明確に異なります。

ア. 独占禁止法 正式名称は「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」です。これは、特定の企業が市場を独占して価格を自由に操作することを防ぎ、消費者が利益を享受できるように自由な競争を促すための法律です。営業秘密の保護ではなく、市場の構造そのものを健全に保つことを目的としています。

イ. 特定商取引法 訪問販売や通信販売など、消費者トラブルが起きやすい特定の取引を対象とした法律です。強引な勧誘を規制したり、クーリング・オフ制度を定めたりすることで、消費者の利益を守ることを目的としています。企業間の情報保護とは文脈が異なります。

ウ. 不正アクセス禁止法 コンピュータネットワークを通じて、アクセス権限のない他人のコンピュータへ侵入する行為を禁止する法律です。IDやパスワードを盗む行為や、セキュリティの穴を突いて不正ログインする行為自体を罰します。情報の「中身」が営業秘密であるかどうかに関わらず、ネットワークへの侵入行為そのものを規制対象とします。

ITパスポート試験における出題の意図

ITパスポート試験において営業秘密の知識が問われる背景には、IT技術の普及により情報の持ち出しや漏えいが非常に容易かつ大規模になった実態があります。

システムエンジニアやデータアナリストは、業務を通じて他社の機密情報に触れる機会が多くあります。その際に「どのような情報が法律で守られているのか」を正しく理解していないと、無意識のうちにコンプライアンス(法令遵守)違反を犯すリスクがあります。

この問題は、単に法律の名前を覚えるだけでなく、情報漏えいが発生した際にどの法律に基づいた対策や責任追及が行われるのかという、実務的な法務知識の基礎を問うています。企業の情報セキュリティポリシーを策定する上でも、不正競争防止法の考え方は不可欠な要素です。

参考リンク

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