平成24年度 秋期 ITパスポート試験 問64 解説 無線LANのESSID
問64 無線 LAN の環境において, アクセスポイントと端末に設定する ESSID に関する記 述として, 適切なものはどれか。
- ア 暗号通信の鍵になる文字列
- イ 暗号方式の種類
- ウ 無線 LAN で使用する電波のチャネル番号
- エ 無線 LAN のネットワークを識別する文字列 ✓ 正答
解説
ESSIDは「無線LANのネットワークを識別するための名前」であると暗記していれば、即座に正解できます。選択肢の中で「識別」というキーワードが含まれるのはエのみであるため、この知識があれば迷うことはありません。
ESSIDとは何か
ESSID(Extended Service Set Identifier)は、無線LANにおいてアクセスポイント(親機)と端末(子機)が通信する際、どのネットワークに接続するかを特定するためのIDです。最大32文字までの英数字を自由に設定でき、無線LANの接続画面を開いた時に表示される「SSID」も広義にはこれに含まれます。
例えば、自宅の無線LANに接続しようとした際、スマホの画面に「My-Home-WiFi」といった名前の一覧が表示されるはずです。この名前こそがESSIDです。もし隣の家が同じメーカーのルーターを使っていても、ESSIDが異なれば、自分の端末が他人のネットワークに勝手に繋がることはありません。
誤答選択肢から読み解くネットワークの仕組み
今回の問題では、ESSID以外の選択肢も無線LANにおいて重要な用語です。これらが「何を担当しているか」を整理しておくと、他の問題にも対応できるようになります。
アの「暗号通信の鍵」は、WPA3やAESといった暗号化方式で使用するパスフレーズや事前共有鍵(PSK)のことを指します。これは「誰が通信に参加できるか(認証)」を決めるもので、ネットワークの名前であるESSIDとは役割が異なります。
ウの「電波のチャネル番号」は、無線LANが使用する周波数帯を分割した通り道のことです。電子レンジなどの他の家電と電波干渉を防ぐために設定されます。ESSIDが「名前」なら、チャネルは「道路のレーン」のようなイメージです。
実践の現場での役割
ESSIDは、ネットワークの管理者が特定のグループを識別するために非常に重要です。
例えば、会社などのオフィス環境では、社員用とゲスト用でネットワークを分けたい場合があります。その際、アクセスポイントは「社員用ESSID」と「ゲスト用ESSID」という2つの識別名を別々に発信します。これにより、同じ物理的なアクセスポイントを使っていても、接続するESSIDによって、利用できる社内サーバーへのアクセス権限を分けたり、通信経路を変えたりすることが可能になります。
このように、無線LAN環境において「今、自分がどの環境に接続しているのか」を明確に定義するのがESSIDの本来の役割です。