平成24年度 秋期 ITパスポート試験 問69 解説 ADSLの通信媒体
ADSLにおいて,加入者宅と電話局間で利用する通信媒体はどれか。
- ア アナログ電話回線(メタル) ✓ 正答
- イ 同軸ケーブル
- ウ 光ファイバ
- エ 無線(電波)
解説
ADSLという用語の「S」が「Subscriber Line(加入者線)」を指していることに注目します。ITパスポート試験において、この言葉は既存の家庭用電話回線(銅線)を指すキーワードであるため、アナログ電話回線を選択するのが正解です。
ADSLの技術的な仕組みと役割
ADSLはAsymmetric Digital Subscriber Lineの略称で、日本語では非対称デジタル加入者線と呼ばれます。ここで重要なのは、既存の銅線(メタルケーブル)を使った通信技術であるという点です。
電話局から各家庭までつながっている従来の銅線は、もともと音声を通すために設計されていました。音声は低い周波数帯域を使いますが、ADSLはこの銅線において、音声が使わない高い周波数帯域をデータ通信に割り当てることで、電話とインターネットを同時に利用できるようにしました。
選択肢を判断するプロセス
この問題を解く際は、通信技術の歴史的な背景と名称から推測するのが近道です。
- アナログ電話回線(メタル):ADSLの「S」が加入者線(メタル線)を指すため、これが正解となります。
- 同軸ケーブル:主にケーブルテレビ(CATV)網で使われる伝送路です。ADSLとは別の技術です。
- 光ファイバ:FTTH(Fiber To The Home)などで利用されます。ADSLよりも高速かつ大容量な通信が可能な技術として、現在の主流となっています。
- 無線(電波):Wi-Fiやモバイル通信(4G/5G)などで利用されます。物理的な線を使わないため、本問の前提条件と一致しません。
通信インフラの変遷を知る意義
ITパスポート試験では、技術の名称と、それがどのインフラ上で動作するのかという対応関係がよく問われます。ADSLは現在では光回線に取って代わられつつありますが、通信技術の進化の過程を知ることは、ネットワークの基礎知識を固める上で非常に重要です。
たとえば、ADSLは「電話局からの距離が遠くなるほど通信速度が落ちる」という特性があります。これはメタル線が電気信号を運ぶ際に抵抗によって減衰するためです。一方、光回線は光信号を用いるため、ADSLと比較して距離による速度低下が起こりにくいという利点があります。こうした技術的な「なぜそうなるのか」という背景を理解しておくと、単なる暗記ではなく知識として定着し、新しい技術が登場した際もその仕組みを推測する力が身につきます。