平成24年度 秋期 ITパスポート試験 問83 解説 情報セキュリティの三大要素
a~cは情報セキュリティ事故の説明である。a~cに直接関連する情報セキュリティの三大要素の組合せとして、適切なものはどれか。 a 営業情報の検索システムが停止し、目的とする情報にアクセスすることができなかった。 b 重要な顧客情報が、競合他社へ漏れた。 c 新製品の設計情報が、改ざんされていた。
- ア 可用性, 完全性, 機密性
- イ 可用性, 機密性, 完全性
- ウ 完全性, 可用性, 機密性
- エ 完全性, 機密性, 可用性 ✓ 正答
解説
この問題は、情報セキュリティの三大要素「機密性」「完全性」「可用性」の定義を正しく当てはめるだけで正解できます。
各選択肢のキーワードから、以下の要素を割り出しましょう。 ・a:システムが使えない(停止した)=可用性の低下 ・b:情報が漏れた(見られた)=機密性の低下 ・c:情報が書き換えられた=完全性の低下
この通りに並べると、aが可用性、bが機密性、cが完全性となります。選択肢のうち、この順番になっているものを選びます。
情報セキュリティの三大要素とは
情報セキュリティを語る上で欠かせないのが、以下の三つの柱です。これらを英単語の頭文字をとってCIAと呼びます。
- 機密性(Confidentiality):許可された人だけが情報にアクセスできること。これが損なわれると「情報漏洩」になります。
- 完全性(Integrity):情報が正確で、改ざんや破壊がされていないこと。これが損なわれると「情報の書き換え」になります。
- 可用性(Availability):いつでも必要な時にシステムや情報が使えること。これが損なわれると「システム停止やアクセス不能」になります。
判断の思考プロセス
問題文の事象を、CIAのどれが侵害されているかという視点で仕分けます。
aは「検索システムが停止」とあります。システムが動いていないということは「使いたい時に使えない」状態です。したがって、可用性が失われています。
bは「顧客情報が競合他社へ漏れた」とあります。これは「許可されていない人に見られてしまった」ということですので、機密性が失われています。
cは「設計情報が改ざんされていた」とあります。これは「情報の正しさが保証されなくなった」ということですので、完全性が失われています。
この判定結果を問題文のa~cの順(可用性、機密性、完全性)で並べると、エの選択肢が合致します。
現場で求められるセキュリティ感覚
ITパスポート試験でこの知識を問う目的は、情報事故が発生した際に「何が問題で、何を優先的に守るべきか」を正しく分析する視点を養うためです。
実務においては、システムの種類や重要度によって重視すべき要素が異なります。例えば、銀行の取引システムであれば、金額を勝手に書き換えられない「完全性」が最優先されるでしょうし、機密性の高い研究データであれば、いかなる理由でも外部に出さない「機密性」が最重要となります。また、SNSの閲覧機能であれば、障害が起きない「可用性」が利用者満足に直結します。
このように、情報セキュリティ事故を単なる「トラブル」として捉えるのではなく、どの要素が崩れたのかを分析することで、次にどのような対策(バックアップ体制の強化なのか、アクセス制限の徹底なのかなど)が必要かが見えてきます。