平成24年度 秋期 ITパスポート試験 問85 解説 売上・粗利益分析
[ストラテジ] 問85 粗利益分析に基づいて、Aさんが分析した結果として、適切なものはどれか。
- ア 親子丼は、売上高、粗利益とも最も少ない。 ✓ 正答
- イ カツ丼は、売上高、粗利益とも最も多い。
- ウ カレーは、粗利益率が2番目に高い。
- エ 牛丼の粗利益が最も多く、粗利益率も最も高い。
解説
提示された問題のような「表形式のデータから正解を導く問題」は、焦らずに表の数値一つひとつを比較することが攻略の鍵です。
数値比較の鉄則
本問のように売上高、粗利益、粗利益率のデータが並んでいる場合、まずは各項目の最大値と最小値を特定します。選択肢を一つずつ照らし合わせる前に、以下の手順で表を整理しましょう。
- 売上高の最大・最小を確認する
- 粗利益の最大・最小を確認する
- 粗利益率(粗利益 ÷ 売上高 × 100)を計算、または比較する
今回のケースでは、選択肢アの「親子丼」に注目し、売上高が最小であるか、粗利益が最小であるかをまず確認します。これが正しければ、他の選択肢を確認する必要がないため、試験本番での時間短縮につながります。
粗利益分析で押さえるべき定義
この問題で問われているのは、ビジネスにおける基本的な収益性指標の理解です。ITパスポートで頻出する重要な指標として、以下の概念を整理しておきましょう。
- 売上高:商品やサービスを販売して得た総額です。
- 粗利益(売上総利益):売上高から売上原価(仕入代金や材料費)を差し引いたものです。その商品が本来どれだけ稼ぐ力を持っているかを示します。
- 粗利益率:売上高に対する粗利益の割合です。一般的に、この数値が高いほど利益率の高いビジネス(高収益な商品)といえます。
これらの計算式は暗記するだけでなく、問題文の中でどの数字をどの数字で割るのか、瞬時に判断できるようにしておくことが大切です。
なぜこの分析を行うのか
企業が経営判断を下す際、ただ「売上が大きい商品」だけを見ていては、本当の意味での収益性を改善できません。例えば、売上が大きくても粗利益率が極端に低ければ、薄利多売の構造から抜け出せません。
この問題のように、商品ごとのデータを並べて比較する手法は、マーケティングにおけるポートフォリオ分析の基礎となります。どの商品を強化し、どの商品を廃止すべきか(あるいは見直すべきか)という意思決定を行うためのデータ分析の第一歩です。実際のビジネス現場では、これをExcelなどのツールを使って自動的にグラフ化し、パレート図などで可視化することで、重点的に取り組むべき課題を明らかにします。
試験としては、単なる表の読み取り能力を問うていますが、実務においては「どの数字に注目してビジネスの改善点を見つけるか」という思考力を養うための非常に実践的な問いと言えます。