ITパスポート試験 / 平成25年度 秋期 ITパスポート試験 / 問100
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平成25年度 秋期 ITパスポート試験 問100 解説 RFIDによるデータ取得

別表1

A図書館では,書籍の他に雑誌も閲覧に供している。ただし,貸出しは行っていない。雑誌を購入する予算は限られているので,Bさんは,利用者によく読まれている雑誌を優先的に購入したいと考えている。そこで,新システムで導入を検討しているRFIDを使ってデータを取得し,そのデータを利用することで雑誌の入替え時の参考にできないかを調査した。 雑誌は,雑誌を載せる棚をもつラック(以下,雑誌ラックという)に置かれている。RFIDを用いた市販システムを調べた結果,雑誌にシート状に加工したRFIDを貼り,棚の一つ一つにRFID読取装置を設置することで,棚から取り出した時刻,棚に戻した時刻を記録できることが分かった。 この仕組みを用いて取得したデータから得ることのできる情報として,適切なものはどれか。

  1. 雑誌ごとに,雑誌ラックの棚から取り出された回数と取り出されていた時間を取得できる。 ✓ 正答
  2. 雑誌ごとに,雑誌ラックの棚から取り出された回数と取り出されていた平均時間を,利用者の年代ごとに取得できる。
  3. 雑誌ごとに,雑誌ラックの棚から取り出された回数を,曜日ごと,利用者の性別ごとに取得できる。
  4. 同一人物がある雑誌を複数回取り出した場合の重複を排除し,雑誌ごとに,雑誌ラックの棚から取り出した人数を取得できる。

解説

この問題は、システムが収集できるデータの限界を把握し、選択肢を論理的に除外することで解くことができます。RFIDタグから得られるのは「誰(個人)」の情報ではなく、「どの個体(特定の雑誌)」が「いつ」動いたかという物理的な時刻データのみである点に着目してください。

システムが記録できる情報の境界線

RFID(無線自動識別)システムは、個々の物品に付与された識別番号を電波で読み取る技術です。今回のケースでは、棚に設置されたリーダーが、特定の雑誌のRFIDタグを「読み取った(=取り出した)」、「読み取れなくなった(=戻した)」という状態の変化を記録しています。

ここから導き出せるのは、以下の算術的なデータに限られます。 ・何回取り出されたか(読み取り開始の回数) ・どれくらいの時間手元にあったか(戻した時刻 - 取り出した時刻)

一方で、以下の情報はRFID単体では取得できません。 ・利用者の属性:利用者が何歳か、男女どちらかというデータはRFIDには含まれていません。 ・利用者の個人識別:誰がその雑誌を手に取ったかという情報を紐づける仕組みが問題文にないため、重複を排除した人数カウントは不可能です。

データの取得可能性を判断する思考プロセス

試験本番では、まず問題文から「取得できるデータの範囲」を特定します。今回であれば、「棚から取り出した時刻」と「棚に戻した時刻」の2点だけが、このシステムが持つ唯一のインプット情報です。

次に各選択肢を検討します。 ・年代や性別などの個人属性に言及している選択肢は、システム外の情報(IDカードによる認証など)が別途必要になるため不適切です。 ・「重複を排除した人数」という表現も、利用者を識別する情報がない以上、算出できません。

結果として、記録された「時刻」という直接的なデータのみを用いて計算できる内容を選べば、必然的に正解に辿り着きます。

テクノロジーをビジネスの現場で活用する視点

この問題の教育的な意図は、単なる知識の暗記ではなく、「ITシステムで何ができて、何ができないのか」という境界を設計する視点を問うことにあります。

実務において、顧客の行動分析を行いたい場合、RFID単体では物品の動きしか分かりません。そのため、もし利用者の属性データまで分析したいのであれば、「利用者証(会員カード)のバーコードを読み取らせてから雑誌を取り出す」といった、別のシステムとの連携が必要になります。

ITパスポート試験では、このように「導入する技術の特性」を正しく理解し、目的に対して「その技術だけで十分なのか、他の要素が必要なのか」を判断する力が求められます。この視点を持つことは、将来、システム企画や導入に関わる際に、実現可能な要件定義を行うための重要なステップとなります。

参考リンク

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