平成25年度 秋期 ITパスポート試験 問17 解説 提案依頼書(RFP)
提案依頼書の説明として適切なものはどれか。
- ア 依頼元の企業にシステム化の要望を提示するよう依頼することを目的として,発注先のベンダが作成する。
- イ 開発内容を正確かつ具体化することを目的として,依頼元の企業と発注先のベンダが共同で作成する。
- ウ 発注先の候補となるベンダに具体的なシステム提案を行うよう要求することを目的として,依頼元の企業が作成する。 ✓ 正答
- エ 広く情報を収集しノウハウや知識を蓄積することを目的として,依頼元の企業が作成する。
解説
提案依頼書のアルファベット略称である「RFP」というキーワードと、その名前が示す「提案を依頼する文書」という言葉の意味を対照させるのが最も確実な解き方です。
提案依頼書(RFP)の定義
RFP(Request for Proposal)とは、システム開発や情報システムの導入を検討している企業(発注元)が、システム開発会社などの候補企業(ベンダ)に対して、具体的なシステム構成や実現方法、費用、スケジュールなどの提案を求めるために作成する文書です。
この文書には、自社が実現したい要件やシステム化の目的、予算の目安、必須の機能などが盛り込まれます。ベンダ側はこのRFPを受け取り、自社の技術力や提案内容を記載した「提案書」を作成して提出します。これにより、発注元は複数のベンダから寄せられた提案を公平な条件で比較・検討できるようになります。
正解を導くための思考プロセス
選択肢を吟味する際、以下の2点を確認することで正解にたどり着けます。
- 誰が作成するか:発注元の企業であるか
- 何を目的としているか:ベンダから具体的な提案を募るためであるか
選択肢アは、ベンダが作成している点で誤りです。選択肢イは「共同で作成する」というプロセスが本来のRFPの目的(提案の比較検討)とは異なります。選択肢エは、情報収集が目的である「RFI(情報提供依頼書:Request for Information)」の説明にあたります。
RFPはあくまで「こちらが求めている条件を提示するから、あなたたちのベストな解決策を教えてください」と呼びかけるための、主導権を握る側(発注元)が作成する書類であると整理しておきましょう。
実務における位置づけと重要性
ITパスポートの試験範囲であるシステム開発の現場では、発注元と開発ベンダの認識齟齬がプロジェクト失敗の大きな原因となります。もし口頭だけで要件を伝えてしまうと、後から「思っていたものと違う」といったトラブルが発生しやすくなります。
RFPは、発注元が「何を重要視し、どのようなシステムを求めているのか」を明文化してベンダ全員に共通の条件として配布することで、客観的な比較検討を可能にする重要な役割を担います。また、ベンダ側にとっても、顧客が何を解決したいのかという深い意図を理解するための「攻略本」のような役割を果たします。このように、システム発注の透明性を確保し、公正な競争環境を作るためのツールとして、RFPは現代のビジネスに不可欠なものとなっています。