平成25年度 秋期 ITパスポート試験 問24 解説 情報リテラシの定義
情報リテラシを説明したものはどれか。
- ア 企業内の情報を一括して管理し必要な情報を検索・抽出できるシステム
- イ 公共施設などに地方自治体が設置し行政手続きや公共的な案内などに利用する端末
- ウ 情報技術を利用して業務遂行のために情報を活用することのできる能力 ✓ 正答
- エ 情報通信社会において必要とされる道徳やマナー
解説
リテラシという言葉から能力を連想する
情報リテラシの「リテラシ(literacy)」は、本来「読み書きができる能力(識字能力)」を意味する言葉です。そこから転じて、ある分野の知識や技術を習得し、それを使いこなす能力を指すようになりました。ITパスポート試験で「情報リテラシ」と問われたら、「情報を扱う技術(IT)を使いこなし、目的のために活用できる能力」と直結させて判断するのが正解への近道です。
情報リテラシの定義と範囲
情報リテラシとは、単にコンピュータを操作できることだけを指すわけではありません。以下の3つの段階を含む広い能力を指します。
- 情報を収集する力:必要な情報を探し出し、正しく入手すること。
- 情報を評価する力:手に入れた情報が信頼できるか、現在の課題に対して有効かを判断すること。
- 情報を活用・発信する力:集めた情報を整理し、業務や目的のために加工・伝達すること。
この問題の選択肢ウにある「業務遂行のために情報を活用することのできる能力」という表現は、この「活用」というプロセスを的確に表しています。
選択肢を分析する
なぜ他の選択肢が不適切なのか、言葉の定義を確認することで理解が深まります。
- ア:企業内の情報を一括管理するシステムは、一般的に「ナレッジマネジメントシステム」や「統合データベース」と呼ばれます。これは「能力」ではなく「システム(道具)」そのものを指しています。
- イ:行政手続きや案内を行う端末は「キオスク端末」と呼ばれるものです。これも物理的な機械を指しており、個人の能力とは区別されます。
- エ:情報通信社会において求められる道徳やマナーは「情報モラル」と呼ばれます。リテラシ(技術を使いこなす力)とモラル(正しく振る舞う姿勢)は、どちらもIT社会の必須要素ですが、言葉の定義としては明確に分けられています。
実務における情報リテラシの重要性
現代のビジネス現場において、情報リテラシは単なるITスキル以上の意味を持ちます。例えば、インターネット上で膨大な情報にアクセスできる状況下で、「フェイクニュースに惑わされない(評価)」「必要なデータだけを抽出してグラフ化し、会議で提案する(活用)」といった一連の行動は、すべて情報リテラシに基づいています。
ITパスポート試験においてこの用語が問われるのは、ITを導入して終わりではなく、それを使う人間がいかにして情報を価値に変えられるかが、組織の生産性を左右すると考えられているからです。基礎的な用語ですが、IT活用能力の根幹を問う重要な概念といえます。