平成25年度 秋期 ITパスポート試験 問25 解説 ジャストインタイム
工程間の仕掛品や在庫を削減するために,必要なものを必要なときに必要な数量だけ後工程に供給することを目的として,全ての工程が後工程からの指示や要求に従って生産する方式はどれか。
- ア ジャストインタイム生産方式 ✓ 正答
- イ セル生産方式
- ウ 見込生産方式
- エ ロット生産方式
解説
正解への判断基準
この問題は、キーワードの組み合わせだけで即答できます。「必要なものを、必要なときに、必要なだけ」というフレーズが出てきたら、迷わず「ジャストインタイム(Just In Time:JIT)」を選びましょう。これがトヨタ生産方式の核心であり、生産管理の定番知識です。
ジャストインタイム(JIT)の仕組み
ジャストインタイムとは、製造現場における「ムダ」を徹底的に省くための生産管理手法です。
従来の生産方式では、前工程が「たくさん作ってストックしておく」という押し付け型の生産をしがちでした。しかし、これでは在庫が溜まりすぎてしまい、保管コストがかかるだけでなく、不良品が発生したときに在庫全体が不良品になるリスクがあります。
一方、ジャストインタイムは「後工程引き取り方式」をとります。後工程が必要になった分だけ前工程に部品を取りに行くため、在庫を極限まで減らすことが可能です。この「必要なときに、必要なものを、必要なだけ」供給する仕組みにより、効率的かつ柔軟な生産体制が実現します。
他の選択肢が誤りである理由
この問題を解くには、他の生産方式との違いを知っておくことも重要です。
・セル生産方式:1人、または少人数のチームが製品の組み立て工程を完成まで受け持つ方式です。多品種少量生産に向いています。 ・見込生産方式:市場の需要を予測して、あらかじめ製品を作っておく方式です。季節商品や標準品などによく用いられますが、需要が外れると在庫リスクが高まります。 ・ロット生産方式:同じ製品をある程度のまとまった数(ロット)ごとにまとめて作る方式です。機械の段取り替えの回数を減らせるメリットがありますが、工程間に仕掛品(作りかけの製品)が滞留しやすいというデメリットがあります。
生産管理を学ぶ意義
ITパスポート試験でこの知識が問われるのは、システム導入の背景を理解するためです。現代の製造業において、生産管理システム(MES)や販売管理システムと連携し、在庫を最適化することは経営上の最重要課題の一つです。
「在庫を減らす=キャッシュフローを良くする」という経済的な視点と、「必要なときに作る=ITによるリアルタイムな情報共有」という技術的な視点は不可分です。単なる暗記ではなく、なぜ在庫を減らすことが企業経営にとって良いことなのかをイメージしながら学習すると、業務システムやデータベースの問題への理解も深まります。