平成25年度 秋期 ITパスポート試験 問34 解説 ウォータフォールモデル
ソフトウェア開発プロジェクトにおいて, 上流工程から順に工程を進めることに する。要件定義, システム設計, 詳細設計の工程ごとに完了判定を行い, 最後にプ ログラミングに着手する。このプロジェクトで適用するソフトウェア開発モデルは どれか。
- ア ウォータフォールモデル ✓ 正答
- イ スパイラルモデル
- ウ 段階的モデル
- エ プロトタイピングモデル
解説
この問題は、ソフトウェア開発における「工程の進め方」に着目することで即座に正解が導けます。「上流工程から順に」「工程ごとに完了判定を行い」「最後にプログラミングへ進む」というキーワードは、まさにウォータフォールモデルの定義そのものです。
ソフトウェア開発モデルの基本概念
ウォータフォールモデルとは、開発工程を「要件定義」→「システム設計」→「詳細設計」→「プログラミング」→「テスト」というように、滝(ウォータフォール)が流れ落ちるように一方向へ進める手法です。
このモデルの最大の特徴は、各工程が完了した段階でその成果物をレビューし、承認を得てから次の工程へ進むという「節目(マイルストーン)」を設けている点です。前工程に戻ることを原則として想定していないため、プロジェクトの進捗管理がしやすく、大規模なシステム開発や、契約に基づいた受託開発でよく用いられます。
問題文から正解を導く思考プロセス
今回の設問では、以下の3つの条件が提示されています。
- 上流工程から順に工程を進める
- 各工程で完了判定を行う
- 最後にプログラミングに着手する
これらを他の選択肢と比較して検討します。
・イ:スパイラルモデルは、システムをいくつかの機能ごとに分割し、設計からテストまでの工程を繰り返しながら開発を拡大していく手法です。一方向に進むという条件とは異なります。 ・ウ:段階的モデル(インクリメンタルモデル)は、システムを段階的に構築・リリースしていく手法です。一度に全工程を完了させてから次のステップへ移行する本問の状況とは異なります。 ・エ:プロトタイピングモデルは、試作品(プロトタイプ)を作成し、利用者のフィードバックを得ながら開発を進める手法です。完了判定を積み重ねていく本問の記述とは趣旨が異なります。
このように、一方向に厳格に進めていくという性質から、ウォータフォールモデルが唯一の正解となります。
実務における開発モデルの選び方
試験対策としては、単に用語を暗記するだけでなく、開発モデルがどのような状況で選ばれるかをイメージすることが重要です。
ウォータフォールモデルは、システムに求める要件が最初から明確で、途中で大きな仕様変更が発生しにくいプロジェクトに向いています。一方で、最近のシステム開発ではアジャイル開発のように、短い期間で開発とリリースを繰り返す手法も主流です。
「要件が確定しているか」「納期までの期間はどう設定されているか」というビジネス上の条件によって最適なモデルが変わるという点は、ITパスポートの試験範囲だけでなく、実務でも非常に重要な判断軸となります。この問題を通じて、各モデルの進め方と適した状況をセットで理解しておきましょう。