ITパスポート試験 / 平成25年度 秋期 ITパスポート試験 / 問41
certification-simodake-work

平成25年度 秋期 ITパスポート試験 問41 解説 生産性向上の評価指標

システム開発プロジェクトにおいて,プログラム作成の生産性を向上させるための施策として,新しく参加したメンバに対し,開発ツールの利用スキル向上のトレーニングを計画した。この施策の効果を評価する指標として,最も適切なものはどれか。

  1. トレーニングの参加者の延べ人数
  2. トレーニングの実施回数
  3. メンバ1人当たりの1日のプログラム作成量 ✓ 正答
  4. メンバ各自がトレーニングに参加した合計時間

解説

生産性を測るための正しい視点

この問題の正解を導く鍵は、施策の目的と評価指標の整合性にあります。今回の施策の目的は「生産性を向上させること」です。生産性とは「投入した資源に対して、どれだけの成果が得られたか」という効率を示す概念です。そのため、トレーニングという投資を行った結果、成果物(プログラム)が以前より多く作れるようになったかを測定することが、最も直接的で適切な評価になります。

生産性指標の考え方

生産性を評価する際、重要なのは「数」そのものではなく「効率」を見ることです。

例えば、「トレーニング参加者の延べ人数」や「実施回数」、「参加合計時間」といった項目は、どれも「どれだけの手間やコストをかけたか」という投入量(インプット)を表す数値に過ぎません。これらは活動の実績を示す指標(活動指標)にはなりますが、その活動によってどれだけ成果が出るようになったかという「効果」までは測れません。

一方、「メンバ1人当たりの1日のプログラム作成量」は、限られた時間の中でどれだけのアウトプットが出せたかという、まさに生産性を数値化したものです。数値が向上していれば「トレーニングによってスキルが上がり、効率が良くなった」と判断できるため、施策の成否を評価する指標として適切といえます。

試験問題が問いかけるビジネスの要点

システム開発の現場では、コストをかけて研修やツール導入を行うことがよくあります。しかし、単に研修を実施して満足するだけでは、ビジネスとしての効果を最大化できません。

実際のプロジェクト管理において、管理者は「この研修にいくら予算を使って、その結果、どれくらいプロジェクトの進捗が早まったのか」という費用対効果を常に意識する必要があります。この問題は、受験生に対して「活動そのもの(インプット)」を評価するのか、それとも「期待した結果(アウトプット)」を評価するのかという、マネジメントにおける評価指標の捉え方を問うています。

また、ITパスポート試験では、生産性指標として「工数」や「開発規模」といった言葉がよく出てきます。今回は「1日の作成量」という単位が使われていますが、実務では「開発規模(ステップ数や機能数)÷ 工数(人月)」といった計算式で生産性が算出されます。このような「投入資源と成果物の関係性」を意識する習慣は、実務でプロジェクトの遅延を防いだり、進捗を客観的に把握したりするために極めて重要なスキルとなります。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう